ソルクシーズには「社員代表会」という組織があります。各事業部から推薦で代表者が選ばれ、現在のメンバーは13人。担当の役員とともに、社内の大事なルールについて情報共有や意見交換を行い、改善していくために作られた組織です。
議題となるのは、36協定や裁量労働、長時間労働是正など働き方に関するルールや、中堅社員懇親会やイベント補助金制度といった福利厚生関連の制度の改善・見直しなど。
会社と対決!というような労働組合を想像する方もいるかもしれませんが、そうではありません。役員たちとの定例会議はフレンドリーな雰囲気で、経営陣にとっては社員の生の声を聞ける貴重な場でもあるそうです。
「任期は2年です。会員の条件として、管理職以外のメンバーであり、本社で会議を実施するので、取引先に常駐している社員は帰社して対応します。部長に“やってみない?”と声をかけられて決まるケースもあり、立候補する社員もいます。
経営陣の考えていることを直接聞ける機会であり、当事者として会社の環境やルールを改善できるのも醍醐味です」
そう話してくれたSさんは、今年が2回めの代表会メンバーです。「最初に参加したときは、どう関わればいいのかわからず、戸惑いもあったのですが、本気で会社をよくしたいと考えている熱い先輩にいろいろ教わって、社内部活動の広報の仕組みを作るプロジェクトに加わりました」。
社員代表会に参加するメンバーの意識はまちまちなのですが、さまざまなテーマについて議論していくうちに、のめり込む社員も少なくないようです。
「現場の実態とルールに乖離がないようにしたいと、労働法について勉強して臨んでいる先輩に感化されて真剣に考える社員が増えたりするんですよね。仕事柄、法律に縁がないシステムエンジニアが多いのですが、若いメンバーにとってはいい刺激になるのではないかと思います」
幸運にも(?)再チャレンジの機会を得たSさんは、労働時間に関するアンケートをとることを発案して社内ルールの改善につなげたり、オフィス引っ越し後の環境改善に関する声を集めてフリーアドレスの運用に活かすなどの成果を挙げたとのこと。
今後、取り組んでいきたいテーマについて聞くと、こんな答えが返ってきました。
「いちばんやりたいのは、女性がより働きやすい環境を作ることです。加えて、福利厚生の制度が多くの社員に使われるようにしたいですね」
ソルクシーズの働き方改革は、現場の声と経営の判断をつなぐ社員によって推進されているというお話でした。Sさん、がんばってください。でも「社員のため」とのめり込みすぎて、代表会メンバー自らが長時間労働にならないように……!