SE1年生が知っておきたい業界用語や隠語について解説する「IT業界用語・隠語辞典」の第3回は、【隠語編】です。これまで取り上げてきた【ヨコ文字編】【造語編】より、聞いた瞬間、意味がわからない言葉が多いのではないでしょうか。
「マンガ」「怒られる」「ゾンビ」…それぞれ、どういう意味だと思いますか?よく使うものから、IT業界でしか通じないコアな用語まで、さまざまなワードを紹介します。誰かが会議で使ったら、「知ってる!」と心の中でテンションを上げてください。
MTG
「meeting(ミーティング)」を縮めてMTG。そのまま「ミーティング」「会議」という意味合いで使われます。
ネゴる
ネゴるの由来は交渉を意味する「negotiation」です。上司や取引先との交渉・折衝・話し合いなど、双方の合意が必要なシーンで使います。
ASAP(エーエスエーピー/アサップ)
「as soon as possible」の略語。「できるだけ早く」といった意味で使われます。ただし上から目線に捉えられる可能性があるため、目上の人や取引先には使うのはNGです。
パラ
並行・並列を意味する「パラレル」の略語です。「パラで進める」と言う場合、複数の業務・案件などを同時進行することを指します。
NR
「No Return」の略で、外出先から職場に戻らず直帰することを指します。ちなみに英語では「故人」や「返品不可」という意味があるため、使用シーンには注意しましょう。
刺さる
アイデアや提案が相手の期待にマッチすること。似たような言葉として「ヒキがある」「響く」もあります。またソフトウェアが動かないときに「刺さった」というケースも。
マンガ
マンガは簡易なシステムの構成図など、資料の内容を理解しやすくするために大まかに描いたイラストを指す言葉です。同じ意味の言葉として「ポンチ絵」という場合もあります。
食べる/吐く
「食べる」は、コンピュータやシステムがデータを取り込むことを指します。AIの処理精度を高めるためには、質の良いデータを「食べさせる」ことが重要です。一方の「吐く」「吐き出す」は、データが出力されることです。
怒られる
稼働させたシステム処理が失敗したり、警告終了したりしてしまうこと。間違いを指摘するエラーの表示が、パソコンやコンパイラから怒られているように見えるところからきています。
踏む
「地雷を踏む」から転じて、プログラム上の誤作動・不具合といったバグに遭遇することです。「バグる」という言い方もあります。
ガバガバ/ガチガチ
セキュリティ対策が甘く脆弱な状態がガバガバです。一方、ガチガチはセキュリティ対策が過剰な状態。セキュリティと利便性は基本的にトレードオフの関係になるため、バランスが重要になります。
ゾンビ
すでに処理が終了したにもかかわらず、システム上に実行中のまま残っているプログラム。メモリを占有するため、強制終了や再起動などで消滅させる必要があります。ゾンビプロセスとも呼ばれます。
以上、IT業界でよく使われる用語・隠語を3回にわたり紹介してきました。
意味がわからない、あるいは確証がない言葉を自分なりに憶測するだけで仕事を進めてしまうと、認識の違いからミスにつながることもあります。知らない言葉を耳にしたときは、すぐに調べるか先輩・上司に質問することが大切です。
また、社内で覚えた言葉をクライアントに使っても伝わらなかったり、場合によっては心証を悪くしてしまったりする可能性もあります。普段使わない言葉は、語意とニュアンスを把握して使い分けるようにしましょう。
IT業界特有の用語・隠語は、使いこなせると短時間で意思疎通できたり、仲間意識の醸成に役立つ便利なツールです。まずは身近で使われている用語・隠語に慣れつつ、円滑なコミュニケーションを楽しんでください。