「客先常駐」。一般的には耳慣れない言葉かもしれません。しかし、いわゆるSierのシステムエンジニアにとっては、よくある話です。
システム開発のプロジェクトや保守・運用のサービスで、お客様のオフィスに席を作っていただき、毎日そちらに出勤するワークスタイル。
常駐の経験があるシステムエンジニアに話を聞くと、好き・嫌いが分かれます。
今回は、常駐で働くソルクシーズのエンジニア3人に、良し悪しを語ってもらいました。
最初に紹介するのは、銀行のシステム開発を手掛けるSさん。「常駐のメリットは?」と聞くと即答でした。
「部長が近くにいないんです(笑)。プロジェクトマネージャーは一緒に働く仲間で、先方の偉い方とは会話する機会がまだないので、プレッシャーは感じないですね。自社のオフィスにいるより、気楽に過ごせているような気がします」
お客様との距離が近く、ソルクシーズとは異なる考え方や手法を吸収できるのもメリットのひとつ。「常駐だと、プロジェクトで得た技術や知見をすぐに現場で生かそうと思う気持ちが強くなるかも」。
デメリットについて聞くと、「システムを作る際に、工夫の余地があまりないことがある」という答えが返ってきました。
「ソルクシーズの自社サービスや、直接依頼されたプロジェクトは、システムエンジニアやプログラマーがアイデアを出す余地があります。
ところが客先常駐の場合は、お客様のご要望に合わせていかなければならず、工夫できないこともあるんですよね。エンジニアの喜びのひとつが、そこにあると思うので、デメリットといえるのかもしれません」
現在のプロジェクトは、ワークライフバランスが取れており、パートナー企業のエンジニアのみなさんと飲みにいくといった交流もあるそうです。
いずれは自社サービスを担当し、会社の成長に直接貢献したいと思いつつ、常駐という働き方に満足しているようです。
Sさんと同じように、自社のほうが緊張するというのは、銀行関連のスマホ開発やバックエンド開発に携わってきたTさんです。
「本社は、社長や役員の方もいるので緊張しますね(笑)。お客様のオフィスにいると、自社にいたら関われない方々とコミュニケーションできます。自分たちの常識とは違う視点の意見をいただけて、得られるものが多いなと思います」
所属しているプロジェクトは、さまざまな仕事に関わることができるのがいいというTさん。
テレワークで働きたいという気持ちはあるものの、常駐のよさとして、「お客様や他社のパートナーなど、異なる立場の人たちとコミュニケーションが取りやすい」ことを挙げています。
「テレワークで複数の人と話そうとすると、その都度 会議設定が必要です。何か確認する際も、チャットで質問して返事を待たなければならないので、時間がかかりますよね。その点常駐なら、プロジェクトのメンバーもお客様も近くにいるので、『今いいですか?』で5分話せば解決します」
フットワークのよさをメリットとするTさんに、常駐のデメリットを聞くと、思わぬ答えが…。
「常駐がどうこうというより、本社はいいなと思うところなんですけど、オフィスがきれいなんですよね。駅直結で通いやすいのも魅力です」
今の常駐先も地下鉄から直結で、きれいなビルなのですが、本社の雰囲気が好きで、いつかあそこで働いてみたいという気持ちがあるそうです。
「常駐のいいトコ・いやなトコ」の後編は、インフラ系システムエンジニアのIさん。
これまで紹介した2人とは、違う視点でメリット・デメリットを語ってくれています。興味がある方は、ぜひ引き続きお読みください。