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ITトレンドレポート

経営陣は推進、現場は… DX化が遅れている企業の特徴【前編】

ITトレンドレポート

経済産業省は、2018年に「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」を発表し、デジタルトランスフォーメーションの重要性についてレポート。日本企業がこのままDXを推進できないと、2025年以降に毎年12兆円の経済損失が生じると警鐘を鳴らしました。

2年後の2020年に行われた電通デジタル調査によると、着手している企業は全体の74%にまで拡大しており、DX推進の意識が高まっています。

しかし一方で、DXの取り組みに一部でも「成果が出ている」と回答した企業は48%と、半数にも届いていません。

2020年のIMDデジタル競争力ランキングを見ると、日本は欧米諸国に後れをとっています。東アジアのなかでも、8位の韓国、16位の中国から大きく離された27位。国際競争力ランキングでも、2014年の21位から2020年には34位まで下降しており、国際的な競争力の維持が難しくなっています。

「DX推進に注力しようとしているのになかなか前に進めない」と、もどかしい思いをしている経営者・担当者も多いのではないでしょうか。

DXが遅れてしまう企業の特徴として、まず挙げられるのが「システムの老朽化」です。

古いシステムは、その場しのぎの仕様変更の積み重ねで複雑化し、全貌を把握できないブラックボックスになってしまうケースが少なくありません。

こうなると運用・維持に手間とコストがかかるうえに、システムの改修も大がかりになります。改修・刷新には莫大な費用がかかるため、既存システムから抜け出せない悪循環に陥ってしまうのです。

システムが古い世代の言語で構築されていたり、運用業務が特定の社員に属人化していたりすると、最悪の場合、世代交代とともにシステムを維持できなくなる可能性もあります。

加えて、日本企業の多くは、財務経理・人事給与といった社内業務において独自の業務フローが確立されており、業界単位でもシステムの標準化が進んでいません。

そのため、業務効率化とコスト削減を目的にクラウドサービスを利用したくても、これまで進めてきた自己流の社内業務との間にズレが発生してしまいがちです。

なかでも独自色の強い業務運用を行ってきた企業の場合、システムを変えることによって問題が発生するのを怖れて、新たなテクノロジーの導入に踏み切れなかったりします。

システムだけでなく、社内全体の意識改革も、DXを進めていくうえで重要なファクターです。経営陣がどれだけ前向きでも、現場の社員がその重要性を理解してコミットしない限り、全社的なDX推進にはつながりません。

それどころか既存業務の大幅な変革は、テクノロジーに懐疑的な古参の社員を中心に、抵抗を示されるケースもあるでしょう。とくにDX推進業務を既存業務との兼任にすると、不平不満が生まれたり、推進業務が滞ったりする原因になります。

「古いシステム」「ガラパゴス化した業務フロー」「社内の意識改革の難しさ」。DX化が頓挫している企業は、未来のための投資と腹をくくって抜本的な改革を志向しなければ、競争力を失ってしまうでしょう。

後編】では、引き続きDXが遅れている企業の特徴を紹介したうえで、DX実現のために企業が着手すべきことについて考察していきます。全社的なDX化を進めていきたいとお考えの方は、ぜひ併せてお読みください。

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