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ITトレンドレポート

2023年のDX動向・日本企業の4つの課題

ITトレンドレポート

2018年9月に経済産業省が発表した『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』をきっかけに、日本でもその重要性が広く認知されるようになったデジタルトランスフォーメーション。

5年経った今、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が日米企業の最新動向を比較した「DX白書2023」に目を通してみると、DXの取り組みにおいて「成果が出ている」と回答した企業は、アメリカの89.0%に対して日本は58.0%と大きな開きがあります。

「新製品・サービスの創出」「顧客起点の価値創出によるビジネスモデルの抜本的な変革」という2つの項目に対して、「十分な成果が出ている」「成果が見込まれている」と答えた企業についても、アメリカは66.8%、70.3%と高水準。日本企業は24.8%、21.5%という数字に留まっています。

DX推進によって国際的な競争力を強化するためには、業務効率化やデジタル化・データ活用だけでなく、独自の価値を発揮できるサービス改革、新規ビジネスの創出といった「攻めのIT投資」が必要です。今回は、日本企業に共通する4つの課題と、課題解決のために着手すべきことについてレポートします。

日本企業がDX推進に注力しきれない理由のひとつは、「経営陣のコミット不足」です。

DXに取り組むためには、全社横断的なデータ活用、部門間のシームレスな連携、チャレンジングな企業文化の創出が必要不可欠です。そのために必要となるIT人材の適切なアサインと教育、DXに特化した部門の設置、システムの刷新をはじめとするIT投資、新たな事業展開といった施策は、経営レベルでの決断がなければ前に進みません。

しかし多くの経営陣がDXの重要性を認識していないのか、これらの大規模な取り組みに着手できない企業が多いのが現状です。このような状況のなかでDXを推進していくためには、経営のトップがDXの重要性・自社の現状・具体的な戦略を提示して、役員や現場のキーマンを巻き込んでいく必要があるでしょう。

また、DX推進については総論賛成でも、「戦略が不明確」なために取り組みにブレが生じてしまうケースもあるようです。

効果的な取り組みを長期的に進めていくうえでは、自社の強み・弱みの分析をふまえた具体的な戦略・ビジョン・ロードマップを共有して、強固な体制を構築しなければなりません。その際は、競合他社との差別化や、新たなビジネスモデルの構築といったテーマも視野に入ってきます。戦略の具体化が難しいときは、経済産業省が作成しているDX推進指標を参考にするのも一案です。

「経営陣のコミット」「不明確な戦略」に続く3つめの課題は、日本企業の約80%でDX推進を妨げている「レガシーシステム」。ひと昔前の古いシステムが、度重なるカスタマイズによって複雑化・ブラックボックス化しているケースが少なくありません。

そんなレガシーシステムの刷新は、多大な労力とコストがかかることから敬遠されがちです。先送りしたために、運用・保守に多くの人員とコストがかかり、全社横断的なデータ活用や新しいITシステムの導入ができないといった悪循環に陥っている企業もあるようです。

この課題を解決したければ、現在の理想となるシステムの全体像を描いたうえで、改善ポイントを洗い出し、優先順位付けをするといったプロセスを避けて通れません。社内のIT人材が足りなければ、外部からスペシャリストをアサインし、第三者的な視点で企画・設計を行うといったアプローチが効果的でしょう。

最後に取り上げる課題は、「IT人材の不足」です。

DX推進には、AI、クラウド、IoTといった技術に精通した人材が必要です。ところが、「DX白書2023」によると、日本企業の8割以上がDXを推進する人材が「不足している」と答えています。その原因のひとつとして挙げられているのが「人材像の明確化と、社内への周知の不足」です。

優秀なIT人材は、年々競争率が高まっています。採用においては、どのような人材がどれくらい必要なのかを具体化したうえで、的確に募集できなければ、母集団形成ができません。技術者を採用できないとなれば、自社内で適性が高い人材を育成するための教育制度・評価制度を構築し、長期的な計画で組織を強化していかなければなりません。

以上、DXがうまくいかない日本企業の4つの課題について解説しました。ソルクシーズは、金融・通信・製造・公共など多様な業界・領域で、デジタルトランスフォーメーションの推進をサポートしています。「人材が足りない」「将来像が描けない」「適切なプロセスがわからない」など、DX推進についてお悩みの方は、ぜひソルクシーズにご相談ください。

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