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ITトレンドレポート

【2024年最新版】ニーズ拡大!金融DXの背景・現状・将来性 ②ソルクシーズの取り組み

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適切かつスピード感のある意思決定、セキュリティの強化、業務の効率化…時代のニーズに合わせたCX(顧客体験)の向上と、コスト削減や業務効率化を併せて実現するために、銀行、証券、クレジットなどの企業が取り組んでいる「金融DX」。さまざまな業界のなかで、金融DXは最も大規模で変化が激しい領域といっても過言ではないでしょう。

前回は、金融DX推進の背景にあるレガシーシステムなどの問題や、業務の効率化、セキュリティ対策、クラウドへの移行、データ活用といった具体的な取り組みについて網羅的にレポートしました。【後編】でも引き続き、金融DXの取り組みや、ソルクシーズグループのサービス展開について紹介していきます。

スマホで多様なサービスを利用できるアプリが増加

【前編】で紹介したようなデータ活用の取り組みに加えて、現在金融業界で促進されている動向のひとつが、アプリの展開やオンライン化です。

もともとオフラインで提供されていたサービスがスマートフォンなどで気軽に利用できるようになるため、利便性の向上や顧客接点の増加につながります。顧客対応で発生するさまざまなプロセスをデジタル化・自動化でき、業務を効率化・省力化できるのもメリットといえるでしょう。

今や、ネットバンキングサービスをスマートフォンで利用するのは、当たり前になりました。サービスサイトのUIは飛躍的に向上し、口座開設・入金・送金など、あらゆるサービスをスマートフォンから完全非対面で受けることが可能です。

みずほフィナンシャルグループのキャッシュレスサービスプラットフォームは、支払い・入金・送金・銀行口座からのチャージなどをスマホひとつで完結できるアプリで、2024年4月時点で全国156の金融機関と連携しています。

近年は、残高確認・入出金明細・振込に留まらず、クレジットカードや住宅ローンの申し込みなどの金融サービスまで使えるアプリもあります。

決済を効率化する「オンライン決済サービス」も、注目の動向のひとつでしょう。スマホを使ったQRコード決済や、暗号資産を使った決済、家計簿機能との連動などさまざまなソリューションが生まれている領域です。

鹿児島銀行は、自行口座を保有している顧客に向けたキャッシュレス決済アプリを開発。キャッシュレス専用の商業施設をオープンすることで、地域におけるキャッシュレス決済の普及を図りました。2023年にはスマートフォンから送金できるサービスもリリースしています。

クラウドファンディングにおいても、新たなサービスがリリースされています。千葉銀行の子会社、ちばぎん商店株式会社は、購入型のクラウドファンディングサイトをリリースしました。このサイトで商品・サービスを見つけたり、売れ行きのよい商品・サービスのECサイトを作って継続販売をサポートすることで、地方創生を図るプロジェクトです。

金融DX推進の課題は組織変革と人材育成

DX推進は、IT投資によるインフラの刷新といった「守り」のデジタル化戦略に限定されません。むしろ競争優位性を獲得するためには、最先端技術を駆使して新たな商品・サービスの開発やビジネスモデルの変革を実現する「攻め」のDX戦略が不可欠でしょう。

攻めのDX戦略を実施するためには、トライアンドエラーを許容できる余裕に加えて、全社的なデータ活用を可能にする企業文化の醸成、組織体制の構築、IT人材・DX人材の充実が必要です。

近年は、組織活性化や人材発掘・育成に寄与する仕組みづくりの事例が目立つようになっています。部署間の相互理解を促すコミュニケーションツールの導入や、経営層からのメッセージの定期的な発信など、適切な情報提供のあり方を追求することで、組織文化の変革を進めている企業もあります。

採用においては、データサイエンティストやDXに特化したエンジニアなどの募集が増えています。従来の行員を対象にした人事制度を見直し、業務領域ごとに報酬体系を変えたり、それぞれの専門性に特化した育成プログラムを開発したりしている銀行もあります。

DX推進とサービス開発に携わる人材を揃える一方で、一般社員のデジタル化を推進する企業も増えています。多くの組織で急務とされているのは、業務効率化、コミュニケーション促進、データ活用です。全社員に対して、デジタル化に関する研修プログラムの受講を推進しているところもあり、「考える人」「作る人」「使う人」に応じた育成体系が求められるようになっています。

金融業界全体でIT人材・DX人材を拡充する動きが高まっていますが、現状はIT人材・DX人材の不足が深刻になっており、すべての企業が十分な人材拡充を実現できるわけではありません。「世界のデジタル競争力ランキング2023」の「人材/デジタル・技術スキル」の項目でも、日本は63位と低水準で、2030年には最大で79万人ものIT人材が不足すると予想されています。

内製化のハードルも高く、IT投資に回せる予算・工数を捻出できないといった理由もあって、なかなか「攻め」のDX戦略にシフトできない企業も多いようです。

金融DXを支援するサービスも続々登場

このような状況を背景に、社外向けに金融DXの実現を支援するサービスを展開している企業も存在します。

たとえば英国の大手金融グループであるバークレイズは、160以上のスタートアップ企業に育成支援プログラムを提供。暗号資産調査、オンライン住宅ローン仲介、銀行プラットフォーム、銀行手数料交渉の自動化など、幅広い新規サービスが創出されています。

国内の例として挙げられるのは、PRONIとSBIネオファイナンシャルサービシーズが運営する「SBI DXデータベース」です。地域金融機関へのフィンテック導入支援や、地域金融機関と連携した地方創生を実現するさまざまなサービスを幅広くラインナップ。企業はニーズに応じたDXソリューションを容易に探すことができます。

これら以外にも、金融業界の企業のさまざまな課題を解決するDXプラットフォームが続々とリリースされ、デジタル通貨関連、クラウドファンディング、営業・業務効率化など、現場のニーズが高い機能や情報の提供を行っています。

なかには、社内で活用しているシステムを、APIを使って外部企業に提供するプラットフォームもあり、営業組織の支援、ビジネスの拡大、バックオフィスの業務効率化をサポートしています。

銀行が保有するデータや機能を、外部の事業者が利用できるようにする「オープンバンキング」も、金融DXの注目キーワードといえるでしょう。日本では、2018年6月の改正銀行法によりオープンAPIの環境整備が求められたことが、新サービスの誕生を後押しする契機になりました。

このオープンバンキングを活用したサービスのひとつが、クラウド会計ソフトです。システムと銀行口座の同期により、経費の仕訳を自動化する機能が搭載されており、電子帳簿保存法を遵守した決算対応もできるようになっています。

会計ソフト以外にも、勤怠管理システムとの連動による給与支払の自動化や、請求書データ処理による自動送金、顧客データの抽出によるマーケティングの効率化など、多様なサービスが展開されています。

これらのサービスと連携する銀行は、データ・機能の提供による収益化、新たな顧客層の獲得、外部事業者と連携した新たなビジネスモデルの創出といったメリットを得ています。

金融DXに詳しい外部リソースの活用も重要なテーマ

IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の「DX白書2023」では、金融業・保険業は情報通信業や電気・ガス・熱供給・水道業と並んで、DXに取り組む企業がトップクラスに多い業界に位置づけられています。

さらに株式会社矢野経済研究所の調査によると、2021年度の国内金融向けIT市場は3兆6369億円にも及び、2025年には3兆9131億円にまで拡大すると予測されています。

ネット銀行・ネット証券の手続きに印鑑が不要になるなど、DXを促進するための規制緩和も進んでいます。オンライン化やソリューションが充実していることもあり、障壁が少なくなったことで、国外・他業種からの新規参入企業も増加。今後はさらなる競争の激化が予想されています。

金融DX推進の動きに乗り遅れてしまった企業の最大の課題は、DXを推進するマネージャーや技術者が足りないことでしょう。時代の流れに乗り遅れないために、人材の採用・育成を急ぐ一方で、金融DXの実績がある外部リソースをうまく活用するという手もあります。

ここからは、銀行・証券・信託などのシステム開発の実績が豊富なソルクシーズグループのさまざまな取り組みを紹介します。

多様なサービスを展開するソルクシーズグループの取り組み

「デジタルトランスフォーメーションで日本のビジネスを導く」というメッセージを掲げ、2021年7月には経済産業省の「DX認定取得事業者」として認定されたソルクシーズは、将来性の高い金融DXにおいても、さまざまなソリューションを展開しています。

クラウド・AIといった最先端技術を活用して、多様なFinTech案件を手がけており、SIサービスの業種別売上でも、金融系は6割を超えています。銀行・証券会社・クレジット関連企業の業務フローやシステム化事例に精通しているため、お客様のご要望の取りまとめ、システムの要件定義、開発から保守・運用まで一貫して対応することが可能です。

最近は地方銀行再編に伴い、システム統合、業務効率化、個人顧客を囲い込むサービスなどのシステム構築のニーズが増加。銀行関連のFinTechに高い専門性をもち、業務パッケージソフトやアプリケーション開発を提供するグループ会社「エフ・エフ・ソル」と連携しながら、個別の課題や事情を汲んだソリューションを提供しています。

これらに加えて、コロナ禍以降のECサービスの活況や割賦販売法の改正などを背景に、キャッシュレス関連のサービス導入、システム開発・改修のニーズにも対応しています。

キャッシュレス決済に関しては、専門特化したコンサルタントを擁するグループ会社「アリアドネ・インターナショナル・コンサルティング」と連携し、要件定義から戦略的なシステムの構築、保守・運用までをトータルにサポートしています。

さらに個別クレジットの領域でも、サービスのメニューを拡充しています。中小企業や新規のクレジット関連事業者に向けて、個別割賦向け基幹業務システム「HYBRID杯王(カップオウ)」を提供し、システム開発と運用をサポート。2021年には、株式会社エクサがクレジット事業者向けに展開しているクラウドサービス「BLUEBIRD」とのパッケージによる「個別クレジット事業者向け統合プラットフォーム」の販売もスタートしました。

その後も沖電気工業社のコンタクトセンター運営サービス「CTstage」や、セイコーソリューションズ社の個人信用情報機関接続サービス「SEIKO TRUST 個信サービス」との連携により、多様なニーズに対応できる体制を構築しています。

2022年2月には、DX推進を効率的に実現したい金融企業向けにキンドリルジャパン株式会社とも提携。インフラからアプリケーション、人材、DX推進サービスまでを共同提供するスキームを構築しました。

地方創生事業「SBI DXデータベース」にも参画。第一弾では企業向けオンラインストレージ「Fleekdrive」を、第二弾では「杯王 on Cloud」を提供して、地域事業者のDX化を支援しています。

グループ内では資本参加先の技術を中核に据えたAIソリューションや、生成AIを組み合わせたサービスの開発を進めるなど、AI領域に注力。今後は金融向けAIソリューションの開発にも取り組む予定です。また、SBIが進めているブロックチェーン等を活用した各種ビジネス開発に参画するなど、幅広い領域で知見・実績を蓄積しています。

SIビジネスにとどまらず、自社開発のソリューションや他社との連携によって、新たな顧客層を開拓し続けているソルクシーズ。金融業界のシステムに対する知見があるエンジニアの育成も強化しており、お客様のニーズや予算に即した提案を評価していただいています。

金融DXを成功させるためには、組織・体制構築や業務フロー改善、セキュリティ強化もさることながら、サービス利用者にとってのわかりやすさ、使いやすさも重要なポイントとなります。「既存サービスを見直したい」「新たなサービスを立ち上げたい」とお考えの方は、金融DXやFinTechの経験が豊富なソルクシーズにお声がけください。

※この記事は2023年2月22日に公開した記事を再編集しています。

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