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編集長日記

「EdgeTech+ 2023」(2023/11/15-17)

編集長日記

「エッジエッテクノロジーに新たなプラスで加速するDXと事業変革」(公式パンフレットより)と題した「EdgeTech+ 2023」。

組込み総合展としてのブランドを確立したこの展示会の変遷を、当ブログでは2015年から取り上げてきています。過去記事のすべては、昨年の記事(「EdgeTech+ 2022(2022/11/16-18)」) 内のリンクからお読みになれます。

この記事では、「EdgeTech+ 2023」での当グループ「株式会社エクスモーション」の出展ブースの様子と、イベント内のアワードで「AI/生成AI優秀賞」を受賞した新サービスについてご紹介します。

株式会社エクスモーション 出展ブース

株式会社エクスモーション」は、自動車業界をはじめとする組込みシステム開発の変革に取り組むお客様を現場から支援し、成功に導くコンサルタントを擁したプロフェッショナル集団です。また、コンサルタントが開発支援の現場で得た知見を、教育プログラムやツールに展開しています。

今回の展示のキーワードは「SDV開発」。SDVとは、ソフトウェア・デファインド・ビークルの略で、車と外部との間の双方向通信機能を使って車を制御するソフトウェアを更新し、販売後も機能を増やしたり性能を高めたりできる自動車のこと。テスラが有名ですね。

ブースでは、ソフトウェアで自動車の機能や性能が決まるSDVの開発現場での課題や人材育成に向けたサービスをご紹介するほか、生成AIを活用した要求仕様作成新サービス【CoBrain】のベータ版の体験コーナーもありました。

EdgeTech + AWARD 2023「AI/生成A 優秀賞」受賞 【CoBrain】

エントリーされた出展社の製品・サービスから選抜し、組込み業界の発展と国内産業の競争力向上に寄与する製品・サービスを表彰するEdgeTech+AWARD2023。その中の「AI/生成A優秀賞」にエクスモーションの【CoBrain】が選ばれました。

【CoBrain】は、生成AIを活用して「要求仕様のチェックとレビュー」ができるサービスです

生成AIの活用は、組込み開発においてもGitHub Copilotを筆頭にプログラミング効率化に焦点が当たりがちですが、要求仕様のレビューに適用した点に加え、生成AIが注目されてから1年たらずでリリースされたスピード感が高評価を得たポイントです。

受賞社によるスペシャルピッチ(講演)に登壇したプロダクトオーナーの内田氏によると

今年の3月に、生成AIを利用したソリューションを開発できないかという構想を渡辺社長に持ちかけ、コンセプト検討およびPoCに着手。その後7月に開発スタートして10月にベータ版リリースとなった」とのこと。

組込み開発の上流工程で生成AIを活用するのは難しいと思われていました。AIが問題解決のために参照するナレッジデータの集積が課題のひとつと考えられます。しかし内田氏は「エクスモーションならできるのではないか」と考えたそうです。

なぜならエクスモーションには、効率的かつ高品質な組込み開発を行うためのノウハウが豊富にあるからです。加えて、先行してサービス開始している「Eureka Box(ユーリカボックス)」にそのナレッジを蓄積することができていました。

今回開発した【CoBrain】では、「要求仕様の添削」にフォーカスしています。コンサルタント業務を通じて、要求仕様のレビュー現場での悩みを解決したいと考えていたそうです。

レビューで求められるのは「良質な仕様書を作ること」と「中身の濃い議論」です。しかしこれを実践するのが難しく、文章の構造、表現の妥当性といった“フォーマット整備に対する指摘“という本質ではないところに時間がかかっています。この部分を【CoBrain】を利用して代替することで、人間同士で実施するレビューでは、本質部分の議論に時間をかけることができます。

講演会場にいたエクスモーションの若手社員にも話を聞いてみたところ

要求仕様書を作成するようになったのですが、難しいです。些末なところのチェックで上司の時間をとってしまうのは申し訳ないと思っています。【CoBrain】を使えばその時間がなくせるし、上司にたくさんミスの指摘をされるとヘコみますが、事前にAIにチェックしてもらえると気持ち的にも楽になります」と利用者目線でコメントをくれました。

デモでは【CoBrain】が要求仕様書の「条件の不足」や「あいまいな表現」といった部分を指摘してくれ、さらに「修正例(表現)」を提示してくれるところを見ることができました。

ほかにも要求仕様書に関する質問を答えてくれるチャットボットも搭載されており、一躍有名になった生成AI:ChatGPTに知りたいことを伝えて答えが返ってくるのに似たイメージで、使い勝手もよさそうでした。

エクスモーションの渡辺社長は「誰もが上流工程を”正しく””簡単に”実施できる世の中(=上流工程の民主化)を実現したい」という野望をお持ちだそう。【CoBrain】がカバーする範囲は「要求仕様」のみですが、今後、エクスモーションが持つさまざまなノウハウを蓄積・データベース化することで、それを参照して問題解決してくれるAIが誕生する日が来るのでは、と期待できます。

なお【CoBrain】」は、来年(2024年)1月に一部のお客様に限定リリース、5月には一般リリースを予定しているそうです。

ご興味のある方はぜひお問い合わせください。
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