離れて暮らす親御さんが歳を取ってくると、どんな生活をしているのだろうか、知らない間にケガや病気をしていないかと心配になるもの。そんなとき、遠方からでも親御さんの安否を確認できる「高齢者見守りサービス」は強い味方ですが、なかにはこんな理由で利用をためらう方もいるのではないでしょうか。
「そんなものの世話にならない!とヘソを曲げられそう」
「監視されるのは嫌!といわれたら、説得できない」
「パソコンや機械はよくわからないから、お互いに億劫」
なるほど。確かに、「見守り」という言葉を「見張り」「お世話」と同じように受け取って、嫌がる高齢者もいるでしょう。「ノーといわれたら次からこの話がしづらくなる」「親子ゲンカになるのは避けたい」と、ついつい「現状維持」にしてしまう方もいるかもしれません。
しかし、それではいつまでも心配やモヤモヤ感は解消しません。
高齢者の独り暮らしは、万が一の緊急時に素早い対処ができないため、事態が進んでしまう可能性が考えられます。離れて暮らしていると認知症の兆候を発見することも難しく、生活や健康状態の悪化に気がつけないケースもあります。
とはいえ、勝手にサービスを導入するのは絶対にNG。高齢者見守りサービスは、見守られる側の気持ちを最大限に尊重することが不可欠です。もし無断で見守りをしていることが発覚すれば、それ以降の見守りが難しくなるだけでなく、親子間の信頼関係にヒビが入ってしまう恐れもあります。
親御さんの安心・安全な暮らしを実現するためにも、ぜひとも親子間でしっかりと話し合う機会を設けて、見守りサービスを導入したいところです。
嫌がられず、ケンカにならず、納得してもらって高齢者見守りサービスを利用するために、まずはどんなサービスがあるのかを整理してみましょう。
高齢者見守りサービスの種類
高齢者見守りサービスは大きく、「人に見守ってもらうサービス」と「機器を使って見守るサービス」の2種類に分類できます。
「人に見守ってもらうサービス」は、サービス提供者が定期的に自宅訪問や電話連絡をして高齢者の安否を確認するというもの。郵便・荷物の配達、栄養バランスのとれた食事のお届けなど、ほかのサービスと連動しているパッケージも少なくありません。見守りという観点から言えば、訪問介護や老人ホームなどもここに含まれます。
地域によっては、自治体やボランティアが高齢者宅の訪問に取り組んでいるケースや、町内会での密な交流が見守りにつながっているケースもあります。付き合いがある近隣住民の方に緊急連絡先を伝えておくことができれば、異変の兆候にも気づきやすくなるでしょう。
一方、「機器を使って見守るサービス」として代表的なのは、見守られる側のなんらかのアクションを検知するサービスです。
ボタンを押して緊急事態を知らせるシンプルなサービスのほかに、エアコンやポット・冷蔵庫・ガスなどの使用や、目覚まし時計アプリのタップといった日常的な動作から安否を確認できるものもあります。手軽に、かつ比較的低コストで導入できるのがメリットです。
GPSが搭載された機器は、認知症の心配がある高齢者の居場所を把握するのにおすすめです。スマートフォンにアプリをインストールして、すぐに利用できるタイプのサービスもあります。ただし自宅内での異常を検知するのは難しいため、別サービスと組み合わせての利用が一般的でしょう。
自宅に設置するカメラ・センサーなどを使って、24時間体制で見守りを行うサービスもポピュラーです。センサーは生活者の動きや部屋の温度・湿度などを感知するための機器で、健康状態の管理や熱中症予防などにも役立ちます。
こちらもサービス提供会社が24時間体制で見守りをするタイプ、医療サポートや駆けつけサービスが付いているタイプ、家族がスマートフォンやパソコンなどから直接見守るタイプ、外出時・帰宅時・異常検知時などにだけ通知が届くタイプなど多様なサービスがあります。費用感も幅広いため、親御さんの意向や状況に応じた使い分けが重要になるでしょう。
「電話やメールを使った安否確認」「郵便局員や宅配サービスによる見守り」「目覚まし時計アプリのようにスマートフォンやタブレットにタッチ」「人感センサーで在室確認」「異常事態を感知したら警備員が駆け付ける」…見守りサービスといっても、千差万別。調べれば調べるほど「どれを選べばいいのか?」と悩んでしまいそうです。
見守られる立場から考えるサービスの良し悪し
では、今度は親の立場で考えてみましょう。見守られる側が不安やストレスを感じるのは、どんなことでしょうか。
多くの方が気にするのは「プライバシーが侵されること」「生活のリズムが崩れること」。見守りサービスは、いつも誰かから見られているような感覚に窮屈さを感じる高齢者が多いようです。とくにカメラの設置は、サービス提供会社のスタッフはもちろん親子であっても「生活を見られるのはイヤ!」と反発する人が少なくありません。
その場合にはプライバシーに配慮したサービスを選ぶ必要があります。たとえばセンサーを使った見守りや、家電の使用状況を把握する見守りであれば、生活を見られているという抵抗感は少ないでしょう。
サービスを導入することで、これまでの生活リズムが崩れるのを嫌う方もいます。そのため、親のライフスタイルを理解したうえで、極力生活への影響が少ない方法を考慮することも大切です。
人づきあいが苦手な方は「知らない人に対応しなくてはならない恐怖・ストレス」「他人を家のなかに招きいれる不安」を避けたいようです。カウンセラーが電話で面談するサービスや、定期的に誰かに自宅を訪問してもらうサービスは、人と話すのが好きな方や、孤独感をまぎらわしたい方にはいいのですが、対人ストレスが強い方や、自分の身辺について話したがらない方は避けたほうがいいでしょう。
近隣住民との密な交流も、社交性が高くなければ苦痛に感じてしまう可能性があります。そもそも地域性に大きく左右される要素ではあるため、過剰な期待は禁物です。
また、カメラやタブレットなどで監視するようなサービスは、プライバシーが尊重されていないと反発する方も多いようです。
親御さんのITリテラシーが高ければ問題はないものの、IT・機械に苦手意識があるときはサービスの「使いやすさ」「わかりやすさ」も大切です。とくにスマートフォンアプリ・家電など、「見守られる側に何かをさせるサービス」は、高齢者にはうまく使いこなせない場合があります。
高齢者見守りサービス導入のリスク
一見、高機能のほうが安心できそうな高齢者見守りサービスですが、どこに何があるかがわかりづらく手順が複雑だと、使い方を丁寧に説明しても覚えるのは難しいかもしれません。操作性がごくシンプルなものでも、心理的なアレルギーから、試してみようという気にならないケースもあります。
億劫になった高齢者が電源を切ってしまえば、とたんに安否がわからなくなるのもリスキーです。GPSが搭載された機器やスマートフォンを持ち歩く場合にも、同様のことが言えるでしょう。
転倒や意識不明など、親御さんが動けなくなってしまうシチュエーションを想定することも大切です。そのような事態を避けるためには、見守られる側が操作・管理をしたり毎回持ち歩いたりする必要のないサービスを選ぶ必要があります。
高齢者扱いされることへの怒り・不満もサービス導入の障害になりえます。「まだ見守られるような年齢ではない」「健康面にもなんら問題はないから大丈夫」と当人が考えている場合、無理に押し付けようとすると逆効果。話を持ちかけるときは、親御さんのプライドを傷つけないような言い回しを心がけましょう。
たとえば「家族が心配をしているから」「私が安心するために協力してほしい」など、あえて自分たちを主語にしてみるのも一案です。「子どもの助けになるなら」と、折れてくれる可能性があります。加えて「80歳を過ぎたら」「健康状態に不安を感じたら」など、時間軸を少しだけ未来にズラした伝え方をすると、自身の状況を客観視しやすくなるかもしれません。
また「見守りサービスに発生する費用が高い」という理由から、納得してもらえない場合もあります。
かかる費用を納得してもらうには?
子供側がサービス料金を負担すると提案しても、「自分のためにそんな高額なお金を使ってほしくない」と遠慮をする高齢者は多いでしょう。とくに、サービス導入にそこまでの必要性を感じていない場合には、見守る側と見守られる側とのあいだに予算感のギャップが生まれがちです。
その場合には、まずは簡易で低コストなサービスから導入してみるのもいかもしれません。一度使ってみて、見守りサービスに慣れてくれば、必要に応じてもっと手厚いサービスにも切り替えやすくなるはずです。必要なサービスをすぐに導入しようと焦るのではなく、ゆっくり時間をかけて説得していくことが結局は近道になることもあります。
同時に何にどれくらいのお金がかかるのか、その金額は一般的な相場と比べて妥当なのかといった点を丁寧に説明することで、了承を得られる確率が高まるでしょう。
あらかじめ複数のサービスをピックアップしておき、内容と費用感を比較しながら説明したうえで、最終的には親御さんに選んでもらうというアプローチもおすすめです。「自分が決めた」という意識があるだけでも、見守りサービスや見守られることに対して肯定的なイメージを抱きやすくなります。
高機能センサーで暮らしぶりがわかる「いまイルモ」のメリット
以上、高齢者見守りサービスを親とケンカせずに導入する方法について解説をしてきました。見守りサービスは種類が豊富でいずれも一長一短があるため、「できること」だけでなく、目的や親御さんからの同意の得やすさ、費用なども考慮して、最適な選択をしましょう。
「緊急時はもちろん日常生活でも異変の兆候がないか見守りたい」「でも、高齢者のプライバシーや生活リズムには配慮したい」「導入の手間や親の負担も極力減らしたい」とお考えの方には、ソルクシーズの「いまイルモ」がおすすめです。
「いまイルモ」は、高機能のセンサーを活用した見守り支援システム。高齢者が住み慣れた自宅で「いつも通り安心して暮らせる」ことを大事にしており、見守られる側の尊厳を尊重した「カメラを使わない仕様」が特徴です。
センサーは、カメラのような違和感や圧迫感がない小型タイプで、自宅のリビング・寝室・トイレ・玄関などに置いておくだけ。親御さんが暮らす部屋の温度、湿度、照度と親御さんの動きを記録します。
センサーで取得した情報は「生活グラフ」としてひと目で確認できます。見守る側は、その記録をいつでもどこからでもスマートフォン・タブレット・パソコンで確認でき、在室・不在だけでなく、健康状態と密接に関係するトイレの回数や、「しっかりと睡眠がとれているか」「寝たきりになっていないか」「熱中症対策ができているか」「カーテンを閉め切った暗い部屋で生活をしていないか」といった暮らしぶりの変化もわかります。
同居しているかのような気遣いにつながりやすくなるなど、親子間の会話・交流が密になるのもメリットです。もちろん複数人での見守りも可能で、最大5名まで見守る方を登録できます。
設定した時間(たとえば半日)人感センサーに反応がない場合、室温が設定温度を超えた場合など、生活に何らかの異変が発生したときは見守る方にメールでお知らせする機能もあるため、離れて暮らしていても安心。見守られる側の操作・管理は一切不要なので、負担や心理的ハードルもありません。
「カメラで生活を見張るわけではないから」
「(導入した後も)今までどおり暮らしてくれればいいから」
「どこにいるのかわかるだけで安心だから」
と持ちかけ、何かあったときはすぐに行くからといえば、プライバシーや自分のペースを守りたい親御さんも、納得してくれるのではないでしょうか。
部屋に設置した際に違和感がないか、利用者の声に耳を傾け、センサー機器のデザインにまでこだわった「いまイルモ」。生活になじむ目立たない機器デザインは、お客様から「ストレスにならない」と好評をいただいています。
工事などの必要がなく、両面テープ・ネジによる取り付けと初期設定だけで簡単に導入できるのもポイントです。LAN版のほか、みまもりセンサーにSIMカードを内蔵しているモバイル版のご用意もあるため、高齢者宅のインターネット環境も必要ありません。
資料のご提供やお試し利用のための無料貸出も承っています。興味がある方は、公式サイトを確認してみてください。
※この記事は2017年3月6日に公開した記事を再編集しています。