今回は、もうすぐ全国の学校で必修化される「プログラミング教育」について。
学習指導要領の改訂により、2020年度から小中学校・高等学校でいよいよプログラミング教育がスタートします。
それに先駆けてソルクシーズでも先日、子ども向けのプログラミングのワークショップを開催。一足先にプログラミング的思考を体験してもらったよ。
★ワークショップの様子はコチラ
今あちこちで注目を集めているプログラミング教育とは、一体どんなものなのかな?この教育が目指す未来と、実際行われるであろう学習内容について、解説していきます♪
▼プログラミング教育の目的は「論理的思考を培うこと」
プログラミングと聞くと、コンピューターに向かってコードをパチパチ打ち込む作業(=コーディング)を連想してしまう人が多いかもしれない。
でも今回の学習指導要領における「プログラミング教育」は、コーディングができるプログラマーを目指すためのものじゃないんだよ。
この教育が目指すのは、プログラミングを通して論理的思考を育てること。子どもたちに問題解決型の思考を身につけてもらうのが目的なんだ。
プログラミング教育では、コーディングそのものの技術を身につけることよりも、あらゆる問題に応用できる「問題解決型の思考」を育てることが重視されている。
問題解決型の思考とは、やりたいことや課題を見つけ「それを叶えるためにはどうしたら良いのか?」と考え、とるべき行動を判断できる能力のこと。
また、複雑な問題を小さなステップに分けてひとつひとつ解決し、大きなゴールにたどり着けるような思考とも言えるね。
▼プログラミング教育の目的は?どんなことに役立つの?
コーディング能力ではなく「プログラミング思考」の習得を重視するのには、理由がある。
それは、論理的思考が身につけば、子どもたちが成長して大人になったとき、問題解決型の思考ができるようになるためなんだ。
たとえば「プログラムを使って正三角形を描く」というゴールを目指すとき。子どもたちは、コンピューターにどんな指令を出せば正三角形が描けるのかを考えることになる。
文部科学省が発表している『小学校プログラミング教育の手引』では、この課題の回答例として次のようなプログラムを挙げているよ。
「ペンを下ろす」→「長さ100進む」→「左に120度曲がる」→「長さ100進む」→「左に120度曲がる」→「長さ100進む」→「左に120度曲がる」
子どもたちがこの回答にたどり着くためには、正三角形の持つ特徴をもとに「必要な動きをステップに分けて考える」「動きに応じた命令を考える」「それらを組み合わせる」といった手順を踏む必要があるよね。
また、
「長さ100進む」→「左に120度曲がる」
この部分をひとつのまとまり【A】として考えれば、「【A】を3回くりかえす」というふうにコードを短縮することも可能だ。
こうした「考える力」を義務教育で身につけておけば、世の中のさまざまな課題に対して応用できる。
現代は第4次産業革命と言われる時代。家電や自動車をはじめ、身の回りのあらゆるものにコンピューターが使われている。
テクノロジーをどう使い、何に活かすか。それを自ら考え実現できる人材を育成するのが、プログラミング教育の目標なんだソル。
▼プログラミング教育では、どんな勉強をするの?
プログラミング教育が始まると言っても、じつは「プログラミング」という新しい教科が設置されるわけじゃない。
コーディング作業もあるけれど、プログラミング教育の多くの部分は、算数や理科などすでにある教科の授業の中で学んでいくことになるんだよ。
たとえば理科で「人がいるときだけ電気がつく仕組み」を考えてプログラムを作ったり、算数の授業で「正多角形をプログラムで書く」といった作業を体験したり、といったことがメインになる。そして実際の授業内容については、各学校がそれぞれ決めることになっているんだ。
とは言え、学校側にとっても初めての経験だ。「どんな授業をしたらいいのか」と悩む先生も多いよね。
そこで文部科学省では「未来の学びコンソーシアム」というプロジェクトを立ち上げ、小学校を中心としたプログラミング教育のポータルサイトを開設しているんだソル。
このサイトを見ると、プログラミング教育の中にはパソコンを使わない活動も含まれる。玩具ブロックやロボットを使った授業なんて楽しそう♪
多種多様なやり方で子どもたちに論理的思考を身に着けてもらう。プログラミング教育の可能性は無限に広がっているんだね。
▼世界中で進行中!プログラミング教育で変わる未来
プログラミング思考を義務教育に取り入れる流れは、海外でも盛んだよ。プログラミング教育をすでに実践している国は、イギリス、インド、韓国、ロシア、エストニア、フィンランド……など、たくさん。
子どもたちが身の回りにあふれるテクノロジーの存在に気づくきっかけにもなる、プログラミング教育。
テクノロジーを使うだけでなく、新しく生み出していく。そんな考え方が当たり前になる未来が、すぐそこまで訪れているのかもしれないソルね。フレフレ、キッズ!