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ソルクシーズで働く人々

KOJIRO担当日記2【5】それってホントに「ユーザ目線」?

ソルクシーズで働く人々

ニッチな製品で業界トップシェアを誇る当社は、「ユーザ目線」をとっても大事にしている。私も、「お客様のゴールは、私達のゴールでもある」と考え、e-learning【KOJIROの企画担当として、お客様のご要望やご意見を大事にしているつもりだ。

開発担当者と意見が割れることもある。今回の「画面切替エフェクト※」の件も、そうだった。
(※画面が切り替わる待ち時間に表示されるアニメーション画面などのこと)
waiting

「このエフェクト、遅く感じるからやめて欲しいっていう要望があるんですが…」
「それは一種の錯覚です。効果をやめても、画面が切り替わるのを待っている時間は変わりません。このようなエフェクトがないために正常に通信できているのかわからないことこそ、ユーザにとってはストレスです『ユーザ目線』で設計したんです」

「そ、そうでしたよね…でも遅いという声が…」
「エフェクトがないと、余計に遅く感じられてユーザはイライラしますよ」
「そ、そう仰っていましたよね…。で、でも、使っている人の意見ですし…」
「うーん…改悪になりかねませんね。これが一番だと思います」

その日の打合せは、平行線のまま終わった。

 

<開発のプロがここまで言うんだから、たぶんそうなんだろうなぁ…>

 

そんなことを考えながら、すごすごと自席に戻る途中、ふと疑問が浮かんだ。

プロが「ユーザ目線」を考えた結果なのに、なぜ、お客様から改善要望が出てくるんだろう。例えば今回の「エフェクト」について、お客様が詳しくご存知ないからだろうか。本当に、そんなことが、原因なのだろうか。

pixta_8674472_S_03

e-learning含め、WEBを利用したサービスは少なからず通信状況の影響を受ける。通信状態がよくない場合などは特に、画面が切り替わる際に「ちゃんと切り替わっていますよ」と、見る人を安心させることは大事なことだ。

フェードイン/フェードアウトといったエフェクトを使って、ふわ~っと優しくページを切り替えたり、円がクルクル動くエフェクトで画面が切り替わり中であることを伝えるのは、開発の「常識」だった。

世間で評価されてきた実績ある方法は、プロ達の知恵の結集だ。確かに、何度も確認してみても、開発担当者の言う通り、エフェクトが悪影響を及ぼしているようには感じられない。いつもお世話になっている塾の先生も、「私も問題ないと思いますし、開発のプロの方が推奨されるのならば」と、理解を示してくれて、話は一旦落ち着いた。

 

<これで、正解だったのだろうか…>

 

違和感は残っていたが、私はこの件を一旦保留とした。

pixta_8674472_S_03

それから少し経って、別の用件で先生に電話する機会があった。用件が済んで電話を切ろうとすると、ついでに例のエフェクトについて話があるという。

「私もそれほど問題があると感じていなかったのですが…やっぱり生徒から変えてほしいという声が複数あがっていまして…」

さらに詳しく様子を伺うと、生徒様がエフェクトに不満を持っている様子がわかる、具体的なエピソードがいくつか出てきた。
Little boy looks out keyboard

私は、すぐに再検討することを約束し、電話を切った。

 

<やっぱり、これは改善すべきポイントだ>

 

直感的にそう思い、開発担当者に相談を申し込むと、快く応じてくれた。

「このエフェクト、やっぱり遅いからやめて欲しいとの強い要望を頂いています」
「前に説明した通り、ストレスがないように、『ユーザ目線』を考えてこうしているんです」
「そうでしたよね」
「エフェクトをやめても待っている時間は変わりません。エフェクトがない方が、ユーザはイライラしますよ」
「そう仰っていましたよね」

 

前回と同じように会話が始まり、私は以前、この「常識」を聞いて納得しようとしたことを思い出した。しかし、今度はユーザからの声をいくつも頂いている。ユーザは、【KOJIRO】が変わることを望んでいるのだ。

 

「私も一旦は、仰っている意味を理解したんです。でも、それでも〇〇という声や〇〇という声があります。別のストレスが発生しているんです」

 

先生を通じて得られた現場の様子を一生懸命に並べるが、うまく説得できない。目の前の開発担当者も、困った顔をしている。この人だって別に意地悪を言っているわけではなく、どの部分をどのように、なぜ改善するべきなのかを理解しないまま、言われた通りにやるわけにはいかないのだ。

私は、自分の提供している判断材料が不足しているということに気づいた。

そういえば、数あるエピソードとそれを熱心に伝えて下さる先生のおかげで、現場の生徒さんが困っていることはよく理解できたが、ひとりやふたりの経験からだけではない、ユーザ共通の理由がまだ得られていなかった。だから、ユーザに共通する「どんな行動」が【KOJIRO】と相性が悪いのか、それを開発担当者に理解してもらえるような説明ができないのだ。

私は先生に電話をかけた。再びヒアリングのお時間を頂くことを詫びながら、先生にもう一度、生徒さん達から具体的にどのような声があがっていたのかを、改めて尋ねた。

先生は、先の話を繰り返したりもしながら、「そういえば」と続けた。

「そういえば、『毎日100問も200問も解いている中で、エフェクトで画面の色が変わると余計に目が疲れる』と言っている子もいました」

それを聞いた瞬間、私は一瞬息が止まった。

 

<足りていなかったのは、この視点だ!>

 

開発部では機能についてあらゆる角度から検証をしているし、担当者は毎日欠かさず動作確認をしている。

でも、塾の生徒さん達は、目的を達成するために【KOJIRO】を「使って」いる。毎日、何百問という問題を解いているのだ。動作を確認するためなどではなく、反復学習で苦手教科を克服したりするために、だ。

私はそれまで、開発担当者の言う「ユーザ目線」をそのままユーザの目線だと信じて疑っていなかった。しかし、開発の「常識」の中で言われていた「ユーザ目線」は、KOJIRO】の「ユーザ目線」そのままではなかったのだ。

確信を得た私は、開発部に走った。やっと見つけた本当の「ユーザ目線」について、今度こそ説得できる材料を持って。

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ほどなく、エフェクトは外された。生徒さん達には「速くなったように感じる!」と好評だそうだ。

開発担当者の言う通り、ボタンを押してから画面が切り替わるまでの所要時間は変わっていないが、そんな客観的事実と異なっても、目的を持って【KOJIRO】を日常的に使う生徒さん達がそう感じるのならば、それは「ユーザ目線」の「事実」だ。

「どう作ったか」よりも「どう使われているか」を追究するということ。

それがつまり、「ユーザ目線」を大事にするということだったのだ。
rico目線の商品企画は続く…

 

[KOJIRO 公式サイト]
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