学部は日本文学、専攻は書道。システムエンジニアとはほど遠い日々を送っていたTさんは、「コツコツ地道に作品を作り上げる書道の工程と、プログラミングは似ているのかもしれない」と思ったそうです。
ITの世界に初めて触れたのは、学内の企業説明会。ソルクシーズの話を聞いて、「将来性があって、手に職がつくこの業界1本に絞ろう」と決意しました。就活では、10社ほど面接を受けたのですが、最初から最後までソルクシーズが第一希望でした。
「大きな会社なのに、人事担当者がフランクで親しみやすく、雰囲気のいい会社だなと思ったのが決め手でしたね。金融系の案件が多いという信頼性も選んだ理由のひとつです」
IT業界でがんばると決断し、希望した会社から内定が出たのに、入社するまでとにかく不安だったというTさん。「自分はこの業界、この会社でやっていけるのか」と考える日々が続きました。
入社した2020年は、緊急事態宣言によって新人導入研修がオンラインになった激動の年。最初の2ヵ月は、Javaを習得するプログラムの難易度の高さに、焦っていたといいます。
「理系との基礎力の差を感じました。でも、やるしかないですよね。同期の力を借りて、わからないこと全部聞いて乗り切りました。みんな、びっくりするぐらい優しくて助かりました」
6月に入り、コロナウイルスの感染拡大が収束すると、オフィスに集まって行うグループワークがスタート。「ネットでしか付き合いがなかった友人と会った気分。同期とのオフ会みたいでした」。プログラミングへの理解が深まり、8月からはいよいよ現場で業務に携わる日々が始まります。
「配属されたのは、公共系の案件のプロジェクトです。最初の2ヵ月は、業務の効率を高めるツールのプログラミングとテストに携わりました。VBAを扱うのは初めてだったので、戸惑いながら働いてましたね。その後は、3ヵ月ほど詳細設計書の修正を担当。ロジックの書き方がわかってきて、おもしろくなってきました」
書道の経験を活かして、粘り強く取り組めたというTさん。ゼロから学んで、できることが増えるたびにやりがいを感じることができたそうです。
「今は週1日出社で、4日はテレワークです。わからないことがあったときは、 TeamsやSkypeで画面共有しながら先輩に聞いたり、チャットで教えてもらったりしています。上司や先輩と話をしながら働ける時間が、もっとあったほうがいいですね。とくに初めての仕事は、いろいろ聞きたくなるので」
入社して2年目の秋。VBAにもすっかり慣れて、入社前に感じていた不安はなくなりました。理系の同期と自分を比べることもなく、技術を身に付けて自分を高めていきたいという気持ちが強くなりました。
「文系出身でも、システムエンジニアとして活躍できると思いますか?」という質問には、こんな答えが返ってきました。
「技術では、理系に太刀打ちできないかもしれないけれど、コミュニケーションでは役に立てるシーンが多いと感じています。人とやりとりするのも、業務管理も向いていると思うので、将来はマネジメントに携わりたいです」
「文系からシステムエンジニアになりたいなら、覚悟はしたほうがいい。でも、書道を通じて学んだ緻密さや忍耐力は必ず活かせる」。大学の後輩に、システムエンジニアをめざしたいといわれたら、そんなアドバイスをしてあげたいと語ってくれました。