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ITトレンドレポート

5分でわかる!IT関連マーケットの近未来予測2023 ①エッジコンピューティング

ITトレンドレポート

ビジネスの成長を加速させる最先端技術として、IT関連のマーケットでニーズ急上昇中の「エッジコンピューティング」「AI」IoT」。連携させることでシナジーを発揮する領域です。

そこで本シリーズでは、3回にわたり、3つの領域の最新動向、市場規模、ニーズが高まる領域、未来予測についてレポートしていきます。

第1回のテーマは「エッジコンピューティング」。

自動運転、VRAIによる異常検知、IoT、ビッグデータなどの最先端領域では、膨大なデータの高速処理が必要不可欠です。

しかし処理を行うインフラがデータセンターなどに集約されているシステムでは、通信にタイムロスが発生したり、ネットワークに負担がかかりすぎて障害が発生したりといったリスクがあります。外部ネットワークを経由するため、情報漏えいやサイバー攻撃の不安もゼロではありません。

このようなシステムの問題を補完するのがエッジコンピューティング。クラウドなどにデータを送信する前に、スマートフォンやセンサー、カメラなどの端末機器から物理的に近い位置で一次処理を行うのが特徴です。

これにより負荷が分散され、膨大な量のデータを遅延することなく高速処理できます。さらに処理済みのデータをクラウドに送信して端末に保存しないことで、セキュリティ上のリスクが軽減できるメリットもあります。

現在はクラウドサーバーに置かれるデータ量やリアルタイム処理が求められる場面の増加、個人情報を含むデータ運用や個人情報保護法の改正に伴うセキュリティ意識の向上によって、エッジコンピューティングの需要が高まっています。

国内のエッジコンピューティング関連のインフラは、年間23〜25%の成長率で推移しています。とくにエッジ環境にAIを組み込む「エッジAIシステム」は、市場の成長を牽引しており、2021年度の市場規模は76.6億円と前年から70.8%も増加しました。

エッジAIを活用したソリューションのひとつとして、スマートファクトリーがあります。工場の生産プロセスにおける幅広いデータを、機器・設備・センサーから収集することで、品質管理・生産性向上を実現するスマートファクトリーは、エッジAIの低遅延性が大きく貢献する領域です。この技術は、農作業を最適化するアグリテックなどにも応用されています。

さらに、高速かつリアルタイムでの画像認識・データ処理が不可欠な自動運転や、無人店舗の運営もエッジAIが求められる領域です。

画像・映像をもとにユーザーの顔を認識する技術は、テレビ番組・動画コンテンツ・ディスプレイに表示する広告の最適化や、施設・企業の入退室管理にも利用できます。外部ネットワークへの個人情報漏洩リスクがなく、セキュリティ面でも安心です。

加えて現在は、目的に合わせてAI学習を最適化するカメラや、環境の変化を察知すると位置情報を送信するGPSなど、エッジコンピューティングを活用したデバイスの開発にも注目が集まっています。

新型コロナウイルスの感染拡大時には、遠隔診療・リモートワークのスムーズな通信の実現にも貢献しました。

エッジコンピューティングは、5Gの普及によって、今後さらなる需要の拡大が見込まれており、2030年の世界市場は1559億ドルに達するという予測もあります。日本企業が国際的な競争力を向上させるためにも不可欠の技術といえるでしょう。

これに伴い、エッジコンピューティングとの関わりが深いAIIoTの導入・開発スキルを持ったエンジニアのニーズも高まっていく可能性が高まっています。次回は「AI」の最新動向や今後の見通しについて解説していきます。ぜひあわせてご一読ください。

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