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ITトレンドレポート

ガートナーが発表!「2023年の戦略的ITトレンドのTOP10」に注目【後編】

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ガートナーが発表した「2023年の戦略的ITトレンドのTOP10」について、「最適化」「拡張」「開拓」「持続可能性」といったテーマを軸に解説。【前編】では「最適化」に関する3つのテクノロジートレンドと、「拡張」に分類される「インダストリ・クラウド・プラットフォーム」「プラットフォーム・エンジニアリング」についてレポートしました。

【後編】では引き続き、残る5つのテクノロジートレンドを見ていきます。

最初のテクノロジーは、「拡張」に関する3つめのトレンド「ワイヤレスの高付加価値化」。無線の機能を情報の伝送に使うだけでなく、さまざまな用途で活用できるようにすれば、ビジネスチャンスの拡大や業務改善につながります。

例えばリスク削減、コスト最適化、分析機による知見の提供、エネルギーの供給、資産の検出・移動など。機器の接続にとどまらないさまざまな高付加価値の可能性があります。

ガートナーは、2025年までに企業の60%が5つ以上のワイヤレステクノロジーを同時に使用すると予測しています。

続いて紹介するのは、3つめのテーマ「開拓」に分類される、3つのテクノロジートレンドです。

スーパーアプリ」は、ひとつのスマホアプリに、さまざまな機能のアプリを統合したポータルサイトのようなものを指します。昨今は、個々のユーザーのニーズに応じたアプリ体験を提供するミニアプリの開発に注目が集まっています。。

ガートナーは2027年までに、世界人口の半数以上が複数のスーパーアプリを日常的に利用すると予測しています。

アダプティブAIシステム」は、予期しないヒューマンエラーや急速な環境の変化に対応するため、リアルタイムのデータに基づいて開発後・提供後にも自動学習を行うAIシステム。

外部環境の変化が激しい分野や、企業の目標に対して最適化されたオペレーションが求められる領域に適したアプローチといえるでしょう。

集合的な仮想共有空間「メタバース」も、仕事・コミュニケーションのあり方を大きく変える可能性のあるテクノロジーです。

ガートナーはメタバースが今後、単一ベンダーの所有ではなく、デジタル通貨・NFTなどによる「独立した仮想経済圏」を形成することもあるだろうと述べています。

さらには、Web3、ARクラウド、デジタル・ツインなどを組み合わせたメタバース関連のプロジェクトで売上拡大をめざす大企業が増え、2027年までに40%に達すると予測しています。

最後に紹介するのは、最大のテーマとして掲げられた「持続可能性」です。

ガートナーが2022年5月に行った調査によると、世界のCEOや経営幹部が「投資家の優先課題」として「利益」「売上」に次ぐ3番めに挙げたのが「環境と社会の変化」でした。

このことからも、サステナブル・テクノロジーへの投資拡大の重要性がわかります。

具体的な取り組みとしては、ITエネルギーの効率化や電気電子機器廃棄物の削減、サステナビリティを向上するテクノロジーの適用、プラットフォームの確立によるESGデータの追跡、環境・社会の問題解決に寄与するITソリューションの提供などが挙げられます。

企業が競争力を維持していくためには、急速に進化するテクノロジーの活用と持続可能性の実現をいかに両立させるかが、大きな課題となりそうです。

以上、【前編】【後編】の2回にわたり、「2023年の戦略的ITトレンドのTOP10」を紹介しました。

ガートナーは、「企業は今後、トレンドに優先順位をつけて戦略を提示する必要がある」と提言しています。時代に取り残されないためには、新たな取り組みを着実に形にしていくことが重要です。技術者として、あれもこれもとキャッチアップを急ぐよりも、自分の興味・関心や仕事で関わる領域から、理解を深めていくとよいのではないでしょうか。

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