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ITトレンドレポート

ガートナーが発表!「2023年の戦略的ITトレンドのTOP10」に注目【前編】

ITトレンドレポート

2022年11月、ITアドバイザリー企業のガートナーが「2023年の戦略的ITトレンドのTOP10」を発表しました。ここで挙げられたIT技術は、2023年さまざまな企業・組織のIT活用に重要なインパクトを持つと予測されています。

今回のレポートでは、戦略的テクノロジートレンドの中心的な3つのテーマとして「最適化」「拡張」「開拓」を、最大のテーマとして「持続可能性」を掲げています。未来予測が困難ななかで、明快に意思決定をしなければならない現代において、注目されている10のトレンドは重要な指標となるでしょう。

それぞれのテクノロジーについて、「すぐにトレンドすべてに取り組まなければいけない、とプレッシャーを感じる必要はないとしつつも、「何ひとつ挑戦しなければ、時代に取り残されることになる」とその重要性を強調しています。

「そんなこといわれて、プレッシャーを感じるなという方がムリ…」と思う方もいるでしょう。そこで今回は、テーマごとのトレンドについて、【前編】【後編】の2回にわたり解説していきます。

最初に取り上げるのは、「最適化」を実現する3つの技術です。

デジタル免疫システム」は、公開前の脆弱性テストや自動修復などの機能を組み込むことによって、システム障害のリスクを低減する仕組みです。

ガートナーは、「オブザーバビリティ、AI拡張型テスト、自動修復、カオス・エンジニアリング、サイト・リライアビリティ・エンジニアリング、アプリのサプライチェーン・セキュリティの6つを組み合わせることで、サイバー攻撃によるダウンタイムを最大80%削減できる」と予測しています。

オブザーバビリティの応用」は、システム内で生成される観測可能なデータを、ビジネス戦略に応用する技術です。オブザーバビリティは「Observe(観察する)」と「Ability(能力)」を組み合わせた造語で、「システムから出力した情報から、内部の状態を把握する力」を指します。

ログ、トレース、API呼び出し、ユーザーのページ滞在時間、ダウンロード、ファイル転送の状況などのフィードバックを、業務プロセス・意思決定に適用。迅速かつ適切な行動により競争優位性を獲得できます。

AI TRiSM」(Trust Risk and Security Management)は、AIを「信頼性」「リスク」「セキュリティ」といった観点から管理する技術です。

ガートナーが米・英・独で調査したところ、AIによるプライバシーの侵害やセキュリティ・インシデントを経験したことがある組織は4割以上にも及んでいるそうです。

「AI TRiSM」の導入は、このようなリスクを防止するだけでなく、AIプロジェクトの成果を向上させ、より多くのビジネス価値創出につながります。

次に取り上げるのは、2つめのテーマ「拡張」に分類されるテクノロジートレンドです。

インダストリ・クラウド・プラットフォーム」は、従来のクラウド・プラットフォームに、業界ごとに特化した各種機能を組み合わせることで、業界固有のさまざまな課題・ニーズへの対応を可能にするソリューションです。企業に機能のパッケージが一括提供されるため、価値実現までの期間を大幅に短縮できます。

ガートナーは、2027年までに企業の半数以上がインダストリ・クラウド・プラットフォームを使用すると予測しました。

プラットフォーム・エンジニアリング」は、クラウドにおける開発環境を自ら作成できる仕組みです。基本はセルフサービスですが、専任のプロダクトチームが開発環境を構築・運営し、開発者をサポートするケースもあります。

プラットフォーム・エンジニアリングが普及する背景として、クラウドの浸透、開発のスピード化、システムエンジニアの人材不足があります。エンジニアにツールを提供することで、インフラを気にせず開発に集中できるようになれば、ビジネスの価値向上と工数・コストの効率化を併せて実現できるというわけです。

ガートナーは、開発組織の80%が2026年までにプラットフォーム・エンジニアリングチームを結成すると予測。そのうち75%が、クラウド内のアプリケーションを簡単に使える「セルフサービス開発者ポータル」を取り入れる見通しです。

後編】では引き続き、「拡張」に分類されるトレンドの残り1つと、「開拓」「持続可能性」のテクノロジートレンドについて解説していきます。こちらも、ぜひご覧ください。

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