仕事とプライベートを両立させる新たなスタイルとして、最近話題を集めているワーケーションとブレジャー。どちらも仕事と休暇を組み合わせると主張しており、カレーライスとライスカレー的な不毛な議論の予感が漂っています。
両者にはどのような違いがあるのでしょうか。ワーケーションとプレジャーの定義、それぞれの具体的なメリット、日本で注目されるようになった経緯を解説していきます。
まずは「ワーケーション」から。こちらはワーク(仕事)とバケーション(休暇)を組み合わせた造語です。
仕事メインと休暇メインの2種類があり、前者は職場とは異なる場所で働くワークスタイル。後者はリゾートなどの旅行先でテレワークの環境を利用して仕事をこなすことを指します。
一方、ビジネス(仕事)とレジャー(休息)を合わせた造語である「ブレジャー」は、出張先で仕事が終わった後、滞在日数を延長するなどしてそのまま休暇を過ごすこと。あくまでも仕事が主であり、テレワークの環境は必須でないため、ワーケーションと比べて取り入れやすいのが特徴といえるでしょう。
ワーケーションやブレジャーを導入するメリットはさまざまです。企業にとってのメリットは、有給休暇の取得率が向上することで、推進すれば社内外に対して働きやすい会社であることをアピールできます。
社員にとっても「家族・友人と過ごす時間がつくりやすい」「混雑しがちな時期を避けて余暇を楽しめる」といった魅力があり、モチベーションの向上につながるでしょう。業務に穴をあける心配もないため、周囲を気にせず有給休暇・長期休暇を取りやすいのも歓迎ポイントです。
受け入れるリゾートやホテルにとっては、旅行機会が創出されることで宿泊客が増え、地域の活性化を推進できるのがメリット。休暇の取得が分散されれば、観光地や交通機関の密が解消されるため、ウィズコロナの状況下でも旅行客を増やすことができるのではないかと期待されています。
ワーケーションとブレジャーは、有給休暇の取得率向上をめざしてアメリカで生まれた概念です。日本で注目されるようになったのは、2017年にJALがいち早くワーケーションを導入したからです。メリハリのある働き方を提案するこの取り組みは、社会に大きなインパクトを与えました。
その後、自治体・宿泊施設による誘致やテレワークの浸透などによって、ワーケーションは多くの企業に浸透。先に話題になったワーケーションにつられるように、ブレジャーの認知も広がりました。
最近は、新型コロナウイルスによって大きなダメージを受けた観光業界の復興を目的として、観光庁・環境庁などによる普及活動も進められています。
ワーケーションとブレジャーが企業・社員・旅行業界にもたらすメリットは幅広く、今後は当たり前になっていくのではないでしょうか。テレワークでも問題ないプロジェクトが多いシステムエンジニアは、ワーケーションやブレジャーに向いている仕事です。
「会社が導入していない」という方は、上司や経営陣に「時代に乗り遅れないためにも導入しては?」と掛け合ってみてはいかがでしょうか。ワーケーション、ブレジャー、どっちにしましょうか。あれ?そもそもワーケーションとブレジャーって、何が違うんでしたっけ!?(冒頭に戻る)