ITトレンドには興味があるけれど、いきなり専門的なことをいわれても困るみなさんにお届けする「5分でわかる!話題のIT系キーワード」。
今回のテーマは、「5G」です。「第5世代移動通信システム」の略。高速・大容量化や超多数の端末接続、高信頼&低遅延が特徴の次世代通信技術で、NTTやソフトバンクをはじめとする通信関連企業は、2020年の商用化に向けて研究開発を進めています。
第5世代といわれると、1から4が気になるものです。これまでの歴史を4行でおさらいしましょう。
第1世代がアナログ式の音声通話、第2世代からデジタルに。
第3世代以降は、データ通信の高速化のための規格が世代の違いになります。
ちなみに第3世代ではインターネットサービスが普及。第4世代ではスマートフォンで動画を閲覧するのが当たり前になりました。
5Gの商用化が実現すると、AI、IoT、VRなどの関連サービスが急速に広がるといわれています。
高速・大容量化といわれると、従来の進化の延長線上にあると捉えてしまいがちですが、5Gのポイントは「超多数の端末を接続できること、高い信頼性、遅延の激減」です。
これらによって、従来はネットワーク化が見送られてきた領域で新しいシステムが生まれるともいわれています。
例えば、映像やデータが遅れたり途切れたりしてはいけない防災・防犯・警備分野。河川の水位などの情報を伝えるIoTセンサー、顔認証システムと連動した精密な防犯カメラなどがネットワークでつながり、トラブルの予防やスピーディーな解決ができるようになります。
2017年10月にJR東日本は、試験車両「MUE-Train(ミュートレイン)」を使って、KDDIと共同で「5G」を活用した実証実験を行いました。
車と電車をネットワークでつなぎ、双方向にリアルタイムの映像を送る試みで、線路脇に5Gのアンテナを設置することによって、車窓の風景をスムーズに車のモニターで確認できることが実証されました。
この技術が実用化すれば、電車内で観光地のリアルタイム映像を楽しめたり、駅で日本各地を走る電車からのニュースや映像をチェックできたりします。
5Gによって実現する新しいシステムやネットワークは多岐にわたり、さらにAIを活用すればサービスの自動化・省力化が進む領域も増えそうです。
スマホを開かなくても、腕時計がニュースを知らせてくれたり、メガネに映像が配信されるなど「何もしなくても情報が届く世の中」になったりするかもしれません。
興味がある方は、さまざまな企業が共同で実験を進めている5G関連のニュースに注目してみてください。