独り暮らしの高齢者を見守る個人向けサービスとしてスタートした『いまイルモ』は、介護施設に利用していただくようになり、社会の高齢化が進むにつれて多様なオーダーをいただくようになりました。
【前編】では、自治体と社会福祉法人の導入事例を紹介しました。今回は、民間の介護施設の事例を取り上げます。
株式会社エヌエムライフが運営する有料老人ホーム「ジョイステージ八王子」が導入したのは、2020年。
前年の8月に八王子市が公募した「第6期及び第7期介護保険事業計画」の地域密着型サービス事業所に指定されており、2022年6月に「ダイヤモンド」誌が発表した東京都の有料老人ホームランキングで2位になった施設です。
元々は、「定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業」として採用。現在は、定期巡回サービスと入居者の見守りの双方で活用しています。『いまイルモ』の導入を担当するMさんによると、「介護施設の未来を考えながら、さまざまなオーダーをいただいている施設」です。
「高齢者見守り支援サービスを利用するというだけではなく、さまざまなサービスのデジタル化を見据えて、ソルクシーズ全体の商品・サービスと提案力を評価していただいています」
「提案したのは『いまイルモ』の他にも、認知症の方の徘徊防止として、顔認証システムと自動ドアを連携させたドアの開閉コントロールなど、さまざまな取り組みを実施しています」
もうひとつの事例、JR九州シニアライフサポート株式会社の住宅型有料老人ホーム「SJR千早ガーデン」が導入した際の決め手は、プライバシーに配慮しながら入居者の日々の行動を「見える化」できること。3年を経た今も、24時間体制の生活支援を支えるシステムとして活用されています。
2022年4月には、東京海上日動ベターライフサービス株式会社が運営する「ヒルデモア/ヒュッテ」シリーズの介護付有料老人ホーム「ヒルデモアたまプラーザ・ビレッジⅢ」が採用。
ナースコールとの連携に加えて、入居者が使用するさまざまなエリアに簡単に設置できることが導入につながりました。
「今後は、介護業界におけるDX化コンサルティングのような役割を求められる機会が増えてくるのかもしれません。お客様自身が気づいていない課題を掘り起こして、総合的な提案ができるようにレベルアップしていきたいですね」
『いまイルモ』自体も、ニーズの多様化をにらんだ機能拡張を検討しており、コミュニケーションロボットを活用した見守りシステム「いまイルモ Kebbi Air(仮)」の実証実験も行われる予定です。
「今は縦割りになっている自治体も、慢性的な人手不足が課題となっている介護施設も、これから変わっていくのではないかと思っています。これからは、現場のニーズに応えられるソリューションとして『いまイルモ』を進化させていくとともに、DXを推進するソルクシーズの技術や知見を活かせる体制を構築していければと思います」