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はばたけソルクシーズグループ

プロダクトオーナーが語る「生成AIを活用した新サービス『CoBrain』が実現したいこと」【後編】

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ソフトウェア開発の現場で重要な役割を担う要件定義書や要求仕様書を生成AIが添削し、作成やレビュー負荷を軽減するCoBrain(コブレイン)」。2024年11月の正式リリースの際は、USDM形式の文書に特化したサービスだったのですが、2025年2月に「Wordアドイン」が追加され、Wordで作成された自由形式の定義書・仕様書でも利用できるようになりました。

プロダクトオーナーの内田圭さんは、株式会社エクスモーションでコンサルタントとして活動しながら、ソフトウェアエンジニア向けのトレーニングの講師も行っています。開発現場の事情をよく知る専門家でもある内田さんは、新機能によってターゲットを広げた「CoBrain」でどんな未来を実現させようとしているのでしょうか。

2025年はAIエージェント元年といわれています。人間の業務を部分的にAIに置き換える取り組みが増えていくでしょう。そうすると、人間が持っている意図や知識、ノウハウをAIに入れ込む必要があります。『CoBrain』のゴールは、要件定義のAIエージェントですが、それを実現するためには正しい情報が必要です

AIエージェントの質を高める情報を確保するためには、これまでさまざまな企業が作ってきた要件定義書を入れるだけでは足りず、「なぜその要件が妥当なのか」「それぞれの要件がどんなニーズや困り事に応えるのか」といった周辺情報をカバーしていかなければなりません。

USDMは、要件定義に欠かせないシステム開発の目的や要求などを可視化させるドキュメントで、これまでは人の手によって作られていました。AIエージェントを機能させるためには、USDMによって構造化された情報群をカスタマイズして使えるようにする要件定義エンジニアのような役割が重要になってきます

「CoBrain」が実現しようとしているのは、現状の一般的な要件定義書に書かれていない目的や要求などの背景情報まで揃えて、「ある仕様を変更したら、どこまでの影響範囲で何を修正する必要があるか」を可視化できるようにすること。USDMの論理構造はもちろん、開発業務のフローや個別のタスクを熟知しているエクスモーションだからできる仕事です。

Wordで仕様書を作っているお客様に、『USDMを活用しましょう』というだけでは動かないでしょう。人間の力だけで仕様の影響範囲やエラー、矛盾などを分析するのは大変なので、過去の知見をUSDMの形で残して生成AIが活用できるようにしましょうという話なら、納得感を得られやすいのではないかと考えています。情報の蓄積と活用をお客様自身でやっていただき、全体の構築をエクスモーションが支援するという体制です

AIエージェントとしての「CoBrain」がめざす未来について、内田さんは「人とAIの共創」と表現しています。人間同士で完結させるナレッジ共有や、生成AIによる一般的な情報収集だけでは、要件定義書の質の向上や業務効率化は限界があります。個々の多様な経験を通じて得た情報やノウハウを適切な形でAIに蓄積し、正しい情報を活用できるAIによって人間の仕事の質を高めるサイクルを構築できれば、生産性の向上とソフトウェア人材の成長を同時に実現できるでしょう。

「CoBrain」の役割は、そんなサイクルを支えるAIエージェントとして開発現場の課題を解決し、開発プロセスの改善や技術者育成に寄与していくことです。「第一歩として、多くの方に使われるサービスにしたい」と内田さん。新機能について知りたい方、詳細を確認したい方は、公式サイトをご確認ください。

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