DXで日本のビジネスをサポート|ソルクシーズ公認ブログ

はばたけソルクシーズグループ

OTA技術を用いたソフトウェア開発をサポート ISIDと提携したエクスモーションの強み【前編】

はばたけソルクシーズグループ

2023年9月6日、ソルクシーズグループの株式会社エクスモーションは、株式会社電通国際情報サービス(以下ISID)と業務提携契約を結びました。

自動車業界の組込みソフトウェア開発を支援するエクスモーションと、ハードウェア設計やSIサービスを強みとするISIDが技術協力を行うことによって、ソフトウェア開発現場の課題解決や人材育成をワンストップで実現できるサービスを開発するというのが提携の狙いです。

今回の業務提携の内容を紹介する前に、自動車業界の現状を整理しましょう。現在、世界的な技術競争が繰り広げられているのが、EV(電気自動車)とSDV(Software Defined Vehicle=ソフトウェア定義車両)の領域です。

世界的なEVシフトが進んでいる背景には、政府が推進するカーボンニュートラルがあります。地球温暖化対策として、CO2をはじめとする温室効果ガスの排出量の抑制は急務となっており、走行中にCO2を排出しないEVへの転換が進められています。

EV開発を先行して手がけていた日本の自動車メーカーが、近年遅れをとったように見えるのは、EVのバッテリー原料問題や充電施設問題などの課題が多く、ここ数年のCO2削減目標に対して有効なのは、ハイブリッド車やエンジン車への対策であると判断したからです。

これから先は、充電インフラの整備、量産体制の構築、販売価格の抑制など、EVを普及させるための環境作づくり、技術の向上、組織づくり、人材育成といった難易度の高い課題の解決を急がなければなりません。

一方、SDVは、自動車業界のビジネスモデルを抜本的に変えるといわれています。従来の車は、デザインやフォルム、安全性、乗り心地などハードウェアが価値とされていました。SDVは、センサー、カメラ、レーダー、各種IoTデバイスを搭載し、双方向の通信によって機能やコンテンツをアップデートできる車です。

これによって、開発の重要度はハードウェアからソフトウェアにシフトします。業界のトップランナーはテスラ。自動運転化が進むと、ユーザーがハンドルを握ることから解放され、車に乗りながらできることが格段に増えます。

新車を売るビジネスから、コンテンツやサービスを継続的に提供するサブスク型のモデルへ。テスラは、エンターテインメント領域や保険などのサービスを収益の柱にしていく方針のようです。

さて、ここからは、エクスモーションとISIDの業務提携の中身についてレポートします。両社が見据えているのは、CASEの急速な普及による業界の変化です。

コネクテッドカー(Connected)、自動運転(Autonomous/Automated)、カーシェアリング(Shared)、EVシフト(Electric)。最大の着目ポイントは、ソフトウェアの技術と人材が必要とされるコネクテッドの領域です。大手自動車メーカーとソフトウェア開発企業において、無線通信によるテータの送受信で車載のソフトウェアを更新するOver The Air(OTA)の技術のニーズが高まっています。

エクスモーションとISIDは、ソフトウェアファーストにシフトする業界の未来をふまえて、開発の質と効率を高める新たなプロセスやコンサルティング、ツールをトータルに提供しようとしています。【後編】では、OTAの開発をサポートするワンストップサービスの全体像と、エクスモーションの強みについてレポートします。

タイトルとURLをコピーしました