「株式会社ノイマン 」は、自動車教習所向けのITソリューションを数多く提供することで、教習所のDXを支援するソルクシーズのグループ会社です。
主力教材であるオンライン学科教習ツール「N-LINE」は、契約数が500校を突破。全国のオンライン学科教習を実施している教習所のうち7割以上が活用しており、業界No.1のシェアを誇っています。
この「N-LINE」とデータ連携を図ることで、教習所業務の効率化とヒューマンエラー対策を実現するのが、今回ノイマンが新たにリリースしたデジタル教習原簿「N-reco 」です。
「オンライン化が進んだ学科教習関連の管理と業務を効率化したい」という教習所のニーズと、国のデジタル化推進の流れを踏まえ、教習生ひとりひとりの進捗管理をする教習原簿のデジタル化を実現しました。
この記事では【前編】【後編】の2回にわたり、デジタル教習原簿「N-reco」の開発の経緯とノイマンならではの強みを、担当者Aさんの声を交えて紹介していきます。
数年前からデジタル教習原簿の研究が進んでいたという教習所業界。最初のきっかけは東日本大震災でした。
「津波の被害にあった教習所で、教習原簿が流されてなくなってしまうという事例があったんです。その後も全国で水害が重なり、教習原簿が水に浸かってしまうというトラブルが発生していました」
さらに2021年に発足したデジタル庁が中心となり、さまざまな業種・分野のデジタル化が促進されると、教習所の原簿もターゲットのひとつになりました。
警察庁から「急速にデジタル化を進めるように」との要請があったものの、この頃はまだデジタル原簿の導入にメリットを感じない教習所も多かったといいます。
しかしコロナ禍のなか、ノイマンの「N-LINE」をはじめとするオンライン学科教習ツールが普及。オンデマンド教習の受講履歴をもとに、教習生一人ひとりの教習原簿に捺印をしていく業務の負荷が高まりました。
「今までは、目の前にいる生徒さんの原簿を集めて、まとめて判子を押せばよかったのですが、オンラインだと夜中でも受講する方がいるので、毎朝の作業がかなりの負担になってしまいます。これを解消するためのソリューションとして、デジタル原簿のニーズが急速に高まりました」
今回のシステムの開発段階では、ノイマンが基本的な仕様・機能を取りまとめ、十数校ほどの自動車教習所にヒアリングを実施。主要機能を搭載したプロトタイプを実際に教習所で利用してもらい、新たに出てきた要望をもとに改修・改良しながら製品化するというプロセスを取ったそうです。
「千葉県と京都府の教習所に実際にご利用いただき、最終的に200ほどの要望が集まりました。教習業務は細かいので、実際に現場で使っていただかないと、かゆいところに手が届くシステムにはなりません。細部にまでこだわったゆえに工数が膨らみましたが、その甲斐もあって高い機能性を実現できたと自負しています」
デジタル教習原簿のシステムに求められる機能は、地域によっても違いがあったそうです。
「警察庁が教習原簿のレギュレーションを出してはいるのですが、年月を経てさまざまなバリエーションが生まれていて、都道府県によって運用が違います。それらのバランスを取りながら機能を決めていくのが大変でしたね」
続く【後編】では、N-recoの特徴を紹介するとともに、ノイマンの強みについてもレポートしていきます。ぜひそちらもご一読ください。