「上流工程のソフトウェア開発技術を学べるオンライン学習プラットフォーム」。エクスモーションが提供する「ユーリカボックス」を一文で表現するとこうなります。
最大の強みは、ソフトウェア開発の現場でコンサルティングや人材育成に携わってきた企業ならではの実践的なプログラム。学習意欲が高い個人のエンジニアに加えて、組織の技術レベルを引き上げたいIT部門の研修担当者にもご利用いただいているサービスです。
ユーリカボックスの利用者となる、企業のソフトウェア開発担当者には口コミで広がり、「有益な情報や知識が得られる、技術が身につく」と高い評価を得られていましたが、より広くPRしていく段階にきていました。そこでサービス紹介サイトを立ち上げ、さらに利用者を増やすための戦略を練ることになったのです。
2022年4月、マーケティング担当として新しいメンバーが加わりました。Sさんの前職は、日用品メーカーのPR担当です。「ユーリカボックス」のサイトを見て、最初に感じたのは、「専門的な用語や解説が多く、初めて見た人にどんなメリットがあるのかが伝わりにくいのでは」ということでした。
IT業界には縁が薄く、これまでの仕事で培ってきたノウハウが通用するのか不安だったというSさんは、まず自身がユーリカボックスを利用して学び、サービスに対する理解を深めたり、知識を増やしたりする過程で「自分の強みが活かせるかもしれない」と思うようになったそうです。
「情報があふれているなかで、サイトを訪れる人たちの判断スピードが上がっています。パッと見たとき、そのサービスがどんな利益をもたらしてくれるのかが伝わらないと、読み進めてもらえません。ユーリカボックスの紹介サイトは、まだまだ改善の余地があると思いました」
USDM、モデルベース開発、システムズエンジニアリング、C++リファクタリング、ソフトウェアプログラミング、派生開発の技術と実践的なノウハウを学べるサービス。わかってもらうためには、まず何から伝えるべきか。4月に入社したばかりのSさんが、最初に注力しようと決めたのは、ターゲット層を広げることでした。
「ユーリカボックスの全体的なマーケティングから着手して、あらためてペルソナを設定しました。その結果、既に専門知識を持っている人だけでなく、企業の管理職や経営層もターゲットになりえると思いました。企業の支柱となるエンジニアを育成することは、その企業の経営基盤を支え、業績アップに繋がるからです。
これまでは、専門用語が並んだページが多かったのですが、コンテンツの伝え方にも力を入れて間口を広げていきたいと考えています」
ユーリカボックスのマーケティング改革を推進することになったSさんは、どんな改善を図ったのでしょうか。具体的な打ち手については、次回の【後編】で紹介します。