― 産学連携チーム、発足! ―
「デジタル人材イノベーションチャレンジ」をご存じでしょうか。「デジタル社会を牽引できる人材の育成を目的とした実践プロジェクト」と銘打ったコンテストは、チーム単位で新しいビジネスを企画し、専門家の評価を受けられる貴重な機会です。
一般的なコンテストと違うのは、プロジェクトを始める前に多様な研修プログラムとワークショップが開催されること。アイデアの発想法、DX推進、アジャイル開発、セキュリティ、チームビルディングなどについて学べるのも、参加者にとって大きなメリットでしょう。
「IoTイノベーションチャレンジ」「DXイノベーションチャレンジ」と名前を変えてきたこのコンテストは、今回が5回めとなります。プラチナスポンサーのソルクシーズグループからは、5チームが参加しました。今回、話を聞いたのは、ソルクシーズの社員と大学生で構成された産学連携チーム「H2K Innovation」です。
チーム名の由来は、参加者6名の頭文字だそうですが…詳しい説明はまたの機会にしましょう。ソルクシーズの事業戦略室から、アドバイザー役のSさんと、2年めのKさん、配属1年目の新人Hさん。営業部のIさんも入社2年めと、若手チームです。
今回、参加することになった大学院1年生のMさんと、大学4年生のKさんは、いずれも教授の紹介で「デジタル人材イノベーションチャレンジ」を知ったそうです。「アイデアを出すコンペに参加してみたかった。産学連携にも興味があった」というKさんは、今回発表した企画の発案者という大活躍でした。
彼らが初めて顔を合わせたのは、6月末のオンライン会議。週1回のミーティングで、受講した研修やワークショップについて情報共有をしようと決めました。7月に入り、チーム名が決まると、企画のアイデア出しがスタート。それぞれが、身近な問題から「こんな商品・サービスがあったらいいな」とアイデアを持ち寄り、2案に絞りました。
「ひとつは、メガネで健康管理。食生活が乱れがちな独り暮らしの人たちが、自分の健康状態を簡単にチェックできたらいいのにという発想です。アプリは面倒くさい。冷蔵庫もいいけど、冷蔵庫に出し入れするものしかカウントできないと話が進んで、メガネにたどり着きました」(同志社大学Kさん)
「人の目で見るように、メガネにカメラを付けて記録するのが簡単というアイデアを出したのが、Kさんだったんじゃないかな。Iさん以外、全員メガネだったので、すんなり受け入れられました(笑)」(事業戦略室Hさん)
以前の参加者から、企画が今ひとつだと審査員から厳しい意見が出ると聞いていたため、「運送業が不在時の再配達という手間を減らすために、代理で受け取ってもらえるシェアスペース」という案も用意したとのこと。ところが、第1回の相談会にアイデアを持ち込むと想像以上に好評で、「これでいこう!」とまとまりました。
「大学生の2人は、社会人にはない視点があって、おもしろかったですね」(営業部Iさん)
「事業戦略室のKさんがリーダーとしてスケジュールや進捗を管理してくれたので、助かりました」(富山県立大学・大学院生Mさん)
相談会の審査員のアドバイスについて、取りまとめ役だったKさんに聞くと、こんな答えが返ってきました。
「このときはまだ、基本的なアイデアしかなかったので、それに対して課題をいただくという感じでしたね。メガネ型端末を大勢に使ってもらうためにどう普及させるのか、収益モデルやお金の流れはどうなるのかなど、いろいろ突っ込んでいただきました」
方向性と課題が明確になり、2回めの相談会を経て、いよいよ一次審査へ。第2回では、他チームも含めた審査の結果と、それぞれのチームをまとめたリーダーたちの振り返りコメントを紹介します。