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ITトレンドレポート

コラボレーションツール普及の課題(2)

ITトレンドレポート

コラボレーションツールを普及させるため多くの企業で様々なアイデアが試されています。
しかし、これだ!と決まった方法がないのが実情です。

私がオススメする二つのポイントはこれです。

●導入の目的をはっきりと明文化しておくこと。

社内 SNS は使い方で業務に寄与する割合が大きく違ってきます。また、当初の導入目的がはっきりしていないと運用もどんどんブレていきます。

トップダウン、ボトムアップのどちらで導入することになっても「どのような情報を共有するのか?」「どのような効果を得ようとしているのか?」をはっきりと文書に書いて残しておきましょう。

(明文化の例)
・どのような情報を共有するのか?:今、現場で起きている、感じていることを共有する。
・どのような効果を得ようとしているのか?:離れた現場同士のコミュニケーションを促進する。

交わす情報は業務に関連するものを主とします。業務以外のやり取りがあるのも構いませんが、主従が逆になっては本末転倒です。以前の記事で述べたように、業務で必要な情報が発信されるような仕組みを用意してください。

●利用を促進する組織(委員会など)を設置すること。

ある日突然、システムを用意したから使ってくださいといっても、どのように接すればよいのか多くのユーザーは戸惑います。ユーザー達に優しく、継続的に利用してもらうための施策を実行する専門組織が必要です。

(施策の例)
・毎週、「“いいね”をつけよう」「○○○について投稿してみよう」「メンション※を使ってみよう」等のお題 を出題して、主な機能をユーザーに徐々に体験してもらう。
※SNSの機能のひとつ。特に読んでほしい人へ通知する機能。
・利用者からの意見を集めるオフ会を開催する。
利用頻度が低いユーザーの方の意見も良いヒントになります。
・「投稿」や「いいね」などのアクションを起こす毎にポイントを付与する。
組織

最後に

私はコラボレーションツール分野の業務に携わって約20年になりますが、今、この分野は大きな転換点にいると感じています。社内 SNS のようなソーシャル(集合知)の要素が入ってきたり、アナリティクス(分析)の要素が入ってきたりしています。私たちが活動している裏でシステムが情報を分析し、そっと業務を補助してくれるような仕組みが組み込まれてくるでしょう。

例えば IBM は、IBM Verse というメールソリューションを発表しました。(第2回「追記 カンファレンス参加レポート in Orlando」 でご紹介した次世代メール製品です)

メールは、コミュニケーション活動にとって無くてはならない大切なモノです。しかし、大量のメール処理に時間を費やしているのも実情です。IBM Verse では、今までの Inbox(受信ボックス) 中心の世界から人を中心としたメールシステムを構築し、新しい価値を創りあげようとしています。

「Mail that understands you:貴方にとって重要なものを理解しています」をコンセプトとしてシステムがユーザーにとって重要なものを理解し、判断の手助けを行う製品を目指しています。実際に世の中に浸透していくかどうかはまだまだ未知数ですが、私はこのチャレンジ的な製品にとても期待しています。

IBM Verse だけではなく、これからは私たち一人ひとりの秘書のような働きをしてくれるツールが出てくるのではないでしょうか。とてもワクワクします。

コラボレーションツールの活用には工夫が必要です。導入しただけでは効果は表れません。物理的なシステムには価値はありません。システム上に構築され、育まれた社員のネットワークに価値があるのです。

過去11回に渡って、グループウエア、コラボレーションツールについてご紹介してきました。今回で最終回となりますが、これまでの連載が皆様の今後の活動に少しでもお役にたてれば幸いです。
ありがとうございました。

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