前回は、クラウドの提供形態について説明させていただきました。
今回は、より具体的な活用例についてご紹介したいと思います。
「必要なときに必要なだけ、システムを借りられる」クラウドは、サービスとしてもさまざまな特徴を持っています。
特に、以下のような場合に適用すると効果的です。
(1) サーバー利用率が変動する場合や、短期間のみ運用する場合
(2) 自社の規模に対して、サーバーを用意することができないような
巨大システムを構築する場合
(3) システムの構築費用や時間が少ない場合
はい、ここまで読んで30秒です。
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!もっと詳しく!知りたい方は、以下でそれぞれ詳しくご説明します。
二つのケースからクラウドサービスの特徴を見ていきましょう。
<ケース1>CM連動キャンペーン
新製品のキャンペーンサイトを、100日ほど立ち上げ、
TVCMを流して、キャンペーンサイトに誘導し、
新製品に関する100本の動画を公開する、という企画。
サイトを訪れるユーザー数は5万人を想定していますが、TVCMの影響で上振れする可能性もあります。
●クラウドを使用しない場合
100日間のキャンペーンのためにサーバーを用意する必要があります。
そもそも、サーバーは何台用意すればいいのでしょう?
SNSなどで話題になると、アクセス量は数倍に増える可能性があります。
その負荷に耐えられるサーバーの構成が必要になります。
しかし、逆に、アクセス量が少なかったときは、ムダな投資になりかねません。
さらに、動画の転送を行うので、回線の容量も注意が必要になってきます。
●クラウドを使用する場合
動画はYouTubeにアップロードして、動画の転送コストを下げつつ、動画自体からのサイト誘導が可能です。
暫定的に3台のサーバーで運用をスタートさせ、負荷に耐えられなくなったら自動追加、負荷が少なくなったら自動的に減少させるといった柔軟な運用をすることができます。
ここでは、動画を公開するキャンペーンサイトを例に挙げましたが、写真共有サイトなど、大容量のデータを扱う場合もクラウドとの相性はいいです。
自社で大量のストレージを用意する必要はなく、また、その管理コストも削減できます。
<ケース2>社内コミュニケーション向上のため、社内掲示板を設置
設置する掲示板は、社内のネットワークだけでなく、インターネットを経由して社外からもアクセスできる、また、スマートフォンからもアクセスできる、という条件を想定します。
ちなみに、社内コミュニケーションの向上を目的としているので、セキュリティーレベルは最低限にしてアクセスしやすい環境にしておきます。
検討するのは以下の3候補
1.自社開発
2.自社のマシンにパッケージソフトを導入
3.クラウド(SaaS)を利用
<検討結果>
1. 自社開発はコストも時間もかかるので問題外。
社内掲示板機能を持つSaaSやパッケージソフトはすでにたくさん存在するので
特殊な要件がない限りは既存のパッケージソフトを使う方が効果的です。
2. パッケージソフトの導入は、価格やサーバー自体の購入費用が問題。
自社のネットワークに外部からアクセスする必要があります。
3. クラウドは手軽に使い始められる。
基本的に申し込むだけ、導入コストなしで済みます。
<ポイント>
SaaSの機能・セキュリティー・料金と、自社導入コストとの比較です。
一般的には、ユーザー数が少ない場合には、SaaSが効果的。無料のサービスも存在します。
ユーザー数が多い場合には、一人あたりの導入費用は少なくなっていくので、パッケージソフトも検討の余地がでてきます。
ただし、社内にメンテナンスを行える技術者がいない場合は、SaaSが便利です。
いかがでしたでしょうか?機能性が高く、コストを抑えられて、柔軟性の高いクラウドサービスを、これからの取り組みに利用してみてください。
次回は、社内コミュニケーションについてご紹介しようと思います。お楽しみに。