ソルクシーズグループのイー・アイ・ソルが、2024年に新設されたお茶の水女子大学の共創工学部で、DX人材育成の出張授業を実施しました。昨年の12月に実施した3日間のプログラムは、実は今回が3回目で、始まりは2年前に遡ります。
2022年12月に実施した最初の授業は、「ゲームチェンジにより『クリエイティブ生活産業DX』をけん引する女性アントレプレナーの育成」というコンセプトで立ち上げられた大学改革推進等補助金プログラムの一環でした。
IoTを活用した状態監視や予知保全システムの構築を展開するイー・アイ・ソルが入札に参加すると決断したのは、「データを計測して集めるという領域なら力になれる」と考えたからです。
「産業界等と連携しながら実験・実習科目の高度化を図る」「女性ならではの視点で、より良い未来を創造することのできる高度デジタル専門人材を育成」といった目的を掲げたプログラムの協力企業の募集に対して、イー・アイ・ソルが提案したのは、データ計測の教材用システムを用いた実践的なカリキュラムでした。
最初の授業を実施してから2年を経た今、イー・アイ・ソルの平澤啓社長に、あらためて今回の取り組みの実施が決まった経緯を聞いてみると、「センサーによるデータ計測と収集・分析までを体験できる初年度の授業が好評だったようで、その後も継続して依頼をいただいています」という答えが返ってきました。
「2023年までは、文系の学生にも興味をもってもらえるように工夫していたのですが、今回は新設学部の1年生が対象です。アナログとデジタルについての座学など、よりわかりやすいプログラムが必要と考えました」(平澤社長)
お茶の水女子大学が新設した共創工学部は、データサイエンスの基盤の上に人文学・社会科学の知が協働し、未来の社会を創るという意味が込められた学部です。文系と理系の両方を学ぶ学生に教えることで、最新のIoT活用に触れてもらう機会を提供し、イー・アイ・ソルの認知度を高められるチャンスでもあると捉えているといいます。
「昨年から生成AIの注目度が急激に高まっていて、ChatGPTなどAI自体に目が行きがちですが、AIのツールが優秀でも学習させるデータが間違っていたら、結果も的外れになってしまいます。AIを活用していくためには、いかに最適なデータを用意するかが重要で、私たちが授業を開講する意義はそこにあると思っています」(平澤社長)
「オンラインクレーンゲームを作ってみよう」と題したイー・アイ・ソルのインターンシップでは、難しくなりがちなソフトウェア開発やシステム開発に関する話を、いかにわかりやすく伝えるかに腐心しているそうです。お茶の水女子大学で学生と接した経験を通じて、インターンシップなどに生かせるような学びもあったという平澤社長。
「イー・アイ・ソルの魅力として、設計から開発、運用まですべての工程のノウハウを身につけられるということを伝えています。理系の業界と思われがちですが、文系でもプログラミングや数学の素養がある人はいますし、論理的な思考力やリーダーシップのある人が活躍できる仕事です」
「私たちのインターンシップは、専門用語を使いすぎず、身近な例を用いたわかりやすい講義と、現場の業務に即したワークショップで実施の仕事について理解できる場です。夏に開催する予定のプログラムに、ぜひ足を運んでみてください」(平澤社長)