企業研究を始めようとしている大学3年生や、転職を検討しているエンジニアのなかには、企業の社会貢献に注目している人もいるでしょう。採用説明会やインターンシップでは、環境問題や働き方の改善に関する取り組みや、SDGsに関する質問が増えているようです。
ソルクシーズグループも積極的に取り組んでいるSDGsについて、最初に簡単に説明しておきましょう。持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)の頭文字を取ったSDGsは、2015年9月の国連サミットで採択された「2030年までに達成したい国際的な目標」です。
持続可能な世界を実現するための目標は、17のゴールと169のターゲットで構成されており、日本でも政府と企業が連携しながらさまざまな施策を推進しています。
ソルクシーズグループが重点目標としているのは、目標9の「産業と技術革新の基礎をつくろう」と、目標4の「質の高い教育をみんなに」ですが、今回紹介する「いまイルモ」のSDGsは、その他の目標のうち目標3の「すべての人に健康と福祉を」に関する取り組みになります。
IoTを活用した見守り支援システム「いまイルモ」は、高機能センサーを使って離れたエリアの環境や生活のデータを確認できるサービスです。当初のターゲットは、独り暮らしの親がいるご家庭でした。
リビングや寝室の在室時間や、温度、湿度、照明の明るさなどのデータを取得することによって、トラブルの有無や生活の変化などを確認できるようになっています。
その後「いまイルモ」の利用者が増えるにつれて、高齢の患者さんがいる病院や介護施設からの問い合わせが増え、現在は多くの施設に利用していただいています。「高齢者見守り支援」から、「見守り支援」に変わったのは、障がい者のグループホームや子ども・ペットの見守りなど、多様な目的で活用されるようになったからです。
2024年10月には、ゆりいか株式会社が運営する障がい者サテライト型グループホーム「ユリーカハイム」での利用がスタートしました。
導入の決め手となったのは、「プライバシーに配慮しながら、温度・湿度・照度や所在の有無・睡眠などの情報を取得できる」「設置する場所を選ばず、簡単に取り付けられる」「見守る人を選定し、それぞれに細かな権限設定ができる」という3点です。
複数のセンサーによってデータを収集し、在室や異変の有無を確認するので、高齢者や障がい者の方々など見守られる側のプライバシーを守ることができるのが、最大のメリットといえるでしょう。病院や介護施設、障がい者施設の利用は今後も増えていく見通しです。
ここまで読んだ人のなかには、「見守り支援システム」の存在を知らなかったという人もいるでしょう。実は近年になって認知度が高まっており、2024年から小学校の授業でも紹介されているのです。
文溪堂出版「2024年度版小学校社会科資料集5年」には、情報を活かす医療・福祉の取り組みのひとつとして、センサーを利用した見守りシステムの使い方やデータの活用法などが紹介されており、事例として「いまイルモ」が掲載されています。
高齢化社会が進むにつれて、多様な生き方や快適な生活を望む声が高まっており、独り暮らしの親御さんや介護施設で暮らす方々のためのサービスも進化していくでしょう。「いまイルモ」は、「すべての人に健康と福祉を」という目標を常に視野に入れて、より利用しやすいシステムへと改善を図っていきます。