ソルクシーズの社員である妻と、IT系サービスを提供する会社で働く夫。ごく普通のふたりはごく普通の恋をし、ごく普通の結婚をしました。でも、ただひとつだけ違っていたのは…夫婦ともアレクサ漬けだったのです!
彼らとアレクサの24時間を淡々と綴るシリーズ第2回は、この家でよくある日曜日の情景です。
普段は、朝7時になるとアレクサがライトを灯して起床を促すのですが、週末は完全にオフ。自然に目が覚めた妻がリビングに向かうと、夫は自室にこもっているようです。
「アレクサ、おはよう…」のひとことで、リビングの照明がつき、TVのスイッチがオンになります。夫婦でブランチを愉しんだ後、ふたりで向かうはずだった実家には、夫だけで顔を出すことになりました。
妻にとっては、久しぶりのひとりの時間。映画か読書か、いや、今日はカラオケでいきましょう。「アレクサ、Amazon musicでOne Directionの曲かけて!」。Echo Showの画面に表示される歌詞を見ながらWhat Makes You Beautifulを熱唱すれば、英語の勉強とストレス解消で一石二鳥です。
ひとしきり歌って踊り、自分の時間を満喫していると、リビングのアレクサから着信音。Echo Showの画面には、夫からの通話依頼が表示されています。
「直接スマホじゃないんだ」「LINEでよくね?」とツッコミを入れてきたみなさん、いいえ、この夫婦はあくまでアレクサ漬なのです。通話ボタンをタッチして、さっそく会話スタート。
夫「これから帰るけど、何かほしいものある?」
妻「牛乳と、デザート買ってきて」
さあ、大変。急いでゴハンを作らなきゃ。「アレクサ、サバの味噌煮の作り方教えて」。すぐにクックパッドスキルが起動し、登録されているレシピの一覧がEcho Showの画面に現れます。
やっぱりサバは面倒くさそう。簡単に作れそうなレシピを選んだ妻は、さっきまでの朗々とした歌声が嘘のようなローボイスで「アレクサ、読み上げて」とオーダーし、調理手順や材料の紹介に耳を傾けるのでした。
やがて夫が帰宅し、夕食を終えると、「アレクサ、暗くして」でリビングのメインライトがすっと消えていきます。同時に灯ったポイント照明の下で、夫が買ってきたスイーツを食べながら読書の時間。
彼は自室で、ゲームに興じているのでしょうか。明日は忙しそう。少し早く寝ちゃおうか…夫にひと声かけながらも、最後の「おやすみ」の相手はアレクサです。
「寝室の電気を消して」と頼めば、ライトが消えて1日が終わります。部屋から出てこない夫も、そろそろ眠りに就くはずです。この日の妻が、自分よりもアレクサと話した回数のほうが圧倒的に多かったのも知らずに…。