コロナウイルス感染を避けるべく、企業はこぞって勤怠に関するルールを変更し、今や「1億総テレワーク時代(昭和テイストですね…)」です。
「通勤時間が減った」「業務に集中できる」といった歓迎の声が挙がる一方で、「組織の動きが見えづらくなった」「顔を合わせて話せないのはやりにくい」という嘆きも聞こえてきています。
そんななかで、多くの会社員が不安を感じていることのひとつとして「人事評価」があります。
社員のやる気や積極的な発言や行動を評価基準に組み込んでいた管理職からは、「勤務態度がわからない」「成果につながる行動をしているかをチェックしづらい」という不満が噴出。
自宅でコツコツ働いている社員のなかには、「自分だけ知らされていないことがあるのではないか」「上司に取り組み姿勢を疑われているのではないか?」と不安になっている人も少なくないようです。
さて、実態はどうなのか?今回は、各社が公開しているレポートを元にテレワーク下の「人事評価におけるポジティブな話」を紹介してまいります。
「今までよりも公平に評価してもらえそう」という期待が高まっているのは、「ゴールや成果が明確な仕事」「情報共有密度が高まった会社」「上司とのコミュニケーションが増えたと感じられる組織」です。
出社頻度を大きく減らした企業や、テレワークの社員比率が高い会社では、日報・週報などによって業務内容や顧客状況の共有を図るようにしたり、チャットやプロジェクト管理ツールなどで仕事の見える化を進めたりしている組織が少なくありません。
オンラインツールの導入によって、「今までよりも上司とやりとりする情報が増えた」「事業部全体の業績に対する自分の成果をフラットに見てもらえるようになった」「課長からのムチャ振りが減り、やるべき仕事に集中できるようになった」と感じている社員の多くが、人事評価において人間関係に左右される要素が減ったと前向きに受け止めているようです。
テレワークを推進するなかで、「出社した社員に高評価が偏ってしまっては、導入したメリットがなくなってしまう」「評価基準を明確にしないと管理職のストレスが増大する」という危機感を募らせる企業は、成果主義にシフトしており、制度や運用の見直しを始めたというニュースが増えています。
「本来の業務に集中できている」「労働時間は増えたかもしれないけれど、通勤を含む拘束時間が減ったので満足」という社員にとっては、こういった動きは大歓迎でしょう。
「テレワークで変わる人事評価」をテーマにした本企画の第2回では、「(他人事なら)笑える話」「情けない話」を紹介したいと思います。ポジティブとネガティブ、どちらの要素が多いのでしょうか…?