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ITトレンドレポート

話題の「Microsoft 365 Copilot」は、私たちの仕事をどこまで変えるのか? ①機能の全貌

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2023年9月22日、マイクロソフトが「Microsoft 365 Copilot(コパイロット)」について、搭載されている機能と今後の展開を発表しました。今回のリリースは、Copilot をメインとしながら、「Bing Chat」「Microsoft 365 Chat」「Designer」「Surface」など、マイクロソフトの製品やプラットフォームにおける新たなサービスと機能を統合的に解説しており、一読しただけで満腹になる特製幕の内弁当です。

これらをすべて紹介するとなると、膨大なレポートになりそうなので、今回は「Microsoft 365 Copilot」に絞って話を進めていきます。9月26日より、Windows 11の無償アップデートとして展開されている新たな機能は、11月1日から法人向けサービスとして1ユーザーあたり月額30ドル(US$)で提供されています。

最もわかりやすい説明は、「Word、Excel、PowerPoint、Outlook、TeamsにAIを導入」でしょう。GPT-4の大規模言語モデル(LLM)をベースにしたAIは、画像の処理や生成も可能で、レスポンスのスピードが速いのも魅力のひとつです。

Wordでは、文章について指示をすればAIが原稿を作成。「カジュアルに」「ビジネス文書として」といったオーダーで、トーンを変えることもできます。

仕事でよく使いそうなのは、「データを図表にして盛り込む」「長文を要約して資料化する」「既存の文章を編集して新たに使えるものにする」といったあたりでしょう。そしてもうひとつ、業務効率化が格段に進みそうな画期的な機能があります。

Wordの原稿から、PowerPointのプレゼンテーションを自動生成

日頃から、企画書や説明資料の作成に追われている人は、残業が相当減るのではないでしょうか。PowerPointは、ページ数と構成要素、テキストのトーンを指示するだけで基本資料が完成してしまいます。

画像や図表も自動挿入。レイアウトやデザインも、指示をすれば一気に変更できるので、ページごとに修正を入れてチェックするせつない夜を過ごさなくてもよくなります。スライドごとに、ノートに要約を入れることもできるので、プレゼンで緊張して内容が飛ばないようにメモを用意する人の作業も削減されます。

ちなみにPowerPointは、アニメーションまで入れてくれるようです。「そこまで設定するのは面倒」「操作がわからない」という理由で、効果的な動きを入れるのを敬遠していた人が、突如アクロバティックな資料で説明し始めたら、「アイツCopilotを導入して、イキってる」といじられそうです。当初は、「悪目立ちしないように、ここぞというポイントに絞って、ちょっとだけ入れてね」とAIに指示しておいたほうがいいかもしれません。

ExcelのAIは、データの自動集計、分析、グラフの生成・視覚化といった作業を、指示を入力するだけで行ってくれます。WordやPowerPointの説明を読んだ人にとっては、予想通りの機能でしょう。

Excelの凄さを思い知るのは、ここからです。「作成した資料をもとに、未来のシミュレーションをしてくれる」「質問すれば、数値が変動した要因や相関関係を教えてくれる」「トレンドの基本分析をしてくれる」。これらを使いこなせれば、手を動かす作業と整理のプロセスは大幅に削減され、頭を使う仕事に集中できるでしょう。

Outlookは、メールの返信を自動生成したり、見逃してしまったメールを要約してくれたりするほか、ダラダラ書いてしまったメールのダイエットまで指示できます。TeamsのAIがありがたいのは、議事録です。議論の趣旨を編集したうえで、論点整理や今後のタスクの取りまとめまで依頼できるようになります。

マイクロソフトは、LLMに加えて、これまで蓄積したユーザーのビッグデータを活用してアウトプットのクオリティを高めるといっています。企業が気になるのは、著作権侵害やフェイク情報などのリスクでしょう。

これについて、マイクロソフトは、「Copilot Copyright Commitment」のなかで「著作権侵害のリスクに対して、生成AIのアウトプットを利用したユーザーを保護し、訴訟で課された金額を支払う」と明言しています。

参考:「マイクロソフト、お客様向けの Copilot Copyright Commitment を発表」

(https://news.microsoft.com/ja-jp/2023/09/12/230912-copilot-copyright-commitment-ai-legal-concerns/)

フェイクについても、コンテンツフィルターを用いて対応する方針といっていますが、こちらは利用者側でケアしなければならない領域もありそうです。

「Microsoft 365 Copilot」の機能詳細を読むと、さすが「Copilot(副操縦士)」というだけのことはあるとテンションが上がります。さて、新たな機能の導入によって、私たちのビジネスはどこまで変わるのでしょうか。次回は、「Microsoft 365 Copilot」がビジネス全体や個々の仕事に与える影響について考察します。

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