システムエンジニアが「オタクっぽい」「コミュ障」などといじられていたのが、遠い昔のことのようです。LINEが実施した「高校生に人気の職業」調査では、1位が教師・大学教授、2位は公務員で、3位はシステムエンジニア・プログラマー。若い世代にとって、われわれエンジニアは「憧れの仕事」なのだそうです。
システムエンジニアに熱い視線を向けているのは、高校生だけではありません。以前から、「実はシステムエンジニアって、結婚相手としていいよね」とささやかれていたのですが、昨今はそのイメージを確立した感があります。
なぜ、システムエンジニアの人気が上昇したのか?最大のポイントは「人口が増えたこと」、すなわち「レアな技術者というイメージが薄れたこと」ではないでしょうか。
IPAが公開している「DX白書2021」によると、いわゆるIT企業に勤務しているエンジニア等の人材は約101万人。前年の「IT人材白書2020」では96万人だったので、1年で5万人も増えています。
ユーザー企業に勤めているIT人材は、29万人から34万人に増加。同窓会にひとり、ふたりとシステムエンジニアがいるのが当たり前な世の中になりました。もうひとつ、重要なポイントとして、「AIや自動運転など、わかりやすい話題によって認知が高まった」という面もありそうです。
もしかすると、Youtuberの出現は、システムエンジニアにとっても追い風だったのかもしれません。「Web画面(フロントエンド)とデータ処理システム(バックエンド)は違うんですけど…」などとわざわざ説明しなければ、「パソコン使って仕事している系」でまとめてもらえそうです。
さらに、システムエンジニアに漂う「大企業感」「高収入感」も、異性を惹きつける要素のひとつでしょう。
「自動車メーカーのシステムのプロジェクトを進めててね。年末はちょっと忙しいかな」
上流だろうが下請けだろうが、嘘でなければOK。こんなことをいっているエンジニアがいれば、「何か稼いでそう」と思うのがフツーです。会社は安定しており、技術があるから高収入で、食いっぱぐれる心配なし。実際は、システムエンジニアといっても、まちまちなんですけどね…。
イメージでいえば、数年前にオタクというブランディングがなされていたのも、今となっては好感度を醸成する要素のひとつです。「モテなさそう」「女性に興味なさそう」が膨らんで、「草食系」「優しい(からいいパパになってくれそう)」「女性慣れしていない(から浮気しない)」。不倫に厳しい世の中では、「忙しいから遊びにお金を使わない」「おしゃれに興味がない」は、ほめ言葉です。
そこはかとなく、「家族を大事にしてくれそう」と思われているシステムエンジニア。実際の結婚生活を想像すると、好感度は加速します。
「テレビやパソコンの配線をやってくれそう」
「感情的にならず、ロジカルに説明してくれそう」
「頭よさそう。もの知り」
「自分の世界を大切にするので、こちらもひとりの時間をキープしやすい」
「締め切りや約束を守ってくれそう」
「考え方がフラットなので、家事も子育ても分担できそう」
「勉強熱心なので、家事や育児もがんがんスキルアップ」
…好印象を抱いていただけるのはありがたいのですが、期待値が高すぎるのも考えものです。結婚生活の要件定義に入る前に、ネットで馬券を買っていることや、気分転換にパチンコに興じること、あるいは高収入イメージと実額のギャップを埋める作業などはやっておいたほうがいいかもしれません。
この業界も、最近は女性が増えてきました。後編では、女性エンジニアやSE夫婦について「最強説」を考察したいと思います。
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