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ITトレンドレポート

市場規模から活用事例まで 知っておきたいメタバースの将来性【後編】

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新たなマーケティング手法を模索するさまざまな業界から、注目を集めているメタバース。その将来性を探る企画の【前編】では、メタバースの現状と先々の市場規模、成長が期待できる理由について解説しました。【後編】では、具体的な活用事例をレポートしていきます。

最初に取り上げるのは、メタバースとは切っても切り離せないエンターテインメント領域の活用事例です。注目は、仮想空間を活用したゲームコンテンツ。従来のゲームと比べて没入感が高いだけでなく「他のプレイヤーと交流がしやすい」「アイテムの交換ができる」など、コミュニティとしても魅力があります。

広義のメタバースといわれている『あつまれ、どうぶつの森』は、全世界累計販売本数が3700万本を超える大ヒット。「STEPN」のように、プレイすることで換金可能なトークンを獲得できる「Play to Earnゲーム」も続々とリリースされています。

アバターを使ってパフォーマンスや鑑賞を行うバーチャルライブも、コロナ禍を契機にエンターテインメント業界の注目を集めました。ユーザーはリアルイベントさながらの臨場感を味わいながら、さまざまな位置・角度からライブを見ることができます。

ビジネス関連ツールも、メタバースを活用できる領域です。たとえば、仮想空間でのオンライン会議やバーチャルオフィス。通常のオンライン会議と比べて、アクションや視点の自由度が高く、同じ空間を共有しているという連帯感が得やすいのが特徴です。

「ジェスチャーを交えた対話ができる」「空間内のホワイトボードで会議の内容を共有できる」「音の方向性を制御して、より立体的な空間を演出できる」…。メタバースで使われるツールは、コミュニケーションの質を向上させるさまざまな工夫が施されています。

NFTとの連携により、ファッションアイテムやコレクターグッズを売買できるのもメタバースならでは。仮想空間内にショップを構えられるため、リアル店舗とECサイトのいいとこ取りで販売戦略を展開できます。立体感がある展覧会を開催すれば、デジタルコンテンツを創作するクリエイターの可能性も広がるでしょう。

メタバース内の土地には、不動産としての資産価値があります。転売はもちろん、賃貸としての活用も可能です。医療・製薬分野もメタバースの活用が期待される領域のひとつ。今後、伸びる可能性があるサービスとして、手術後のリハビリやトレーニング、医療関係者間のコミュニケーション、仮想空間上でのカウンセリングなどが挙げられます。

仮想空間上に専用の環境を構築することで、体感しながら学習できるプログラムも生まれており、教育分野はもちろん、製造業・建設業などの人材育成にも役立ちそうです。

国土交通省は、2020年に日本全国の3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化を進める「Project PLATEAU」を発表。現実の都市空間をオンライン上の仮想空間に再現し、社会・地域の課題解決に寄与する取り組みを実施しています。

以上、メタバースの将来性について【前編】【後編】の2回にわたって紹介しました。アイデア次第で、さまざまなイノベーションを実現できるメタバース。エンタメはもちろん、ビジネスから社会貢献度の高い事業まで、幅広い領域で活用が進んでいます。

今後は現実空間と仮想空間の境界線が、どんどん曖昧になっていくのかもしれません。「現実に取り残されないため」にも、ぜひメタバースの動向をチェックしておきましょう。

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