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ITトレンドレポート

金融、物流、自動車… ブロックチェーンの最新事情&活用事例【前編】

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「ブロックチェーン」と聞くと、真っ先に仮想通貨を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。しかし現在、「Web3.0」と呼ばれる分散型Webの発展とともに、ブロックチェーンはさまざまな業界で活用され始めています。

この記事では、ブロックチェーンの最近の動向、市場規模、活用メリット、業界別の事例を【前編】【後編】の2回にわたりレポートします。

まずは、あらためてブロックチェーンの強みと、近年のトピックスについておさらいしましょう。

ブロックチェーンは中央に管理者を置く代わりに、複数のコンピュータがさまざまな取引データの記録を分散管理する技術です。「ブロック」と呼ばれる取引単位を鎖のように関連付けることで、整合性が維持されます。

これにより取引履歴の不正改ざん・コピーを防ぎ、データの正当性と透明性を維持することが可能になります。加えて、「(分散管理のため)完全なシステムダウンが起こりにくい」「コストパフォーマンスが高い」といった特徴もあります。

ブロックチェーンの世界市場は、2021年時点で67.8億ドルにも及びました。2030年には1539億4000万ドルに達するという予測もあり、現在急速に拡大している市場といえるでしょう。

日本国内でもブロックチェーン市場の成長は著しく、矢野経済研究所によると2020年に415億円だった国内市場規模は、2025年には7247億6000万円に到達する見込みです。

一方、経済産業省はブロックチェーンが社会経済に与えるインパクトをふまえ、将来的な国内市場は67兆円にも及ぶと予測。政府自らがブロックチェーンの普及を促進していく意向を示しました。

ブロックチェーンの活用により、実現できることは多岐に渡ります。

たとえば商品の流通・販売・廃棄といった履歴を追跡できる「トレーサビリティ」。これにより消費者は商品の詳細な情報を把握でき、商品の提供者も商流の特定やトラブル発生時の回収コスト軽減といったメリットを得ることが可能です。

さらに、ブロックチェーンは契約・取引の条件をあらかじめ定めておくことで、その実行を自動化できます。スマートコントラクト」と呼ばれるこの技術は、いま話題の「DAO(Decentralized Autonomous Organization)」にも活用されています。DAOは特定のリーダーや中央集権的な管理者を立てることなく、参加者が投票権であるガバナンストークンを購入することで、平等に意思決定を行う自律分散型組織です。

従来の「双方向ではあるものの中央集権的なWebのあり方」である「Web2.0」に対して、DAOのような「情報や権利が各ユーザーに分散されるWebのあり方」は「Web3.0」と呼ばれており、セキュリティの高さ、グローバル市場との相性の良さから、次世代のインターネットとして注目が集まっています。

複数のユーザーがデータを管理するブロックチェーンは、このWeb3.0を実現するうえで欠かせない技術なのです。

続く【後編】では、ブロックチェーンが業界ごとにどのように活用されているのかを深堀りしていきます。

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