IT系のニュースサイトなどを見ていると、ときどき「フィジタル」という言葉に遭遇します。フィジタル。。。意味、わかります?Googleで検索すると、「もしかしてフィジカルでは?」とボケられたりするぐらいで、IT業界以外の方にはまだまだ通じない造語のようです。
調べてみると、「フィジカル」と「デジタル」を掛け合わせた言葉で、2015年からアメリカで使われ始めたマーケティング用語とのこと。
私たちが暮らしているリアルな社会に存在する「モノ」と、デジタルの世界におけるコンテンツやサービスを融合させることを指すそうです。「フィジタルマーケティング」「フィジタルエクスペリエンス」などという使い方をするようですね。
何となくわかった気になったところで、どんな施策が「ほう。それはなかなかフィジタルだねぇ」といわれるのかを探ってみました。
最もわかりやすいのが、自動車業界でしょうか。
そろそろ買い替えようかな…と思いながらディーラーに足を運んでクルマを見ていると、「実際に乗ってみますか?」と声をかけられ、試乗させてもらったりしますよね。運転していて楽しいと思うと購買意欲が高まり、予算オーバーでもつい契約してしまったりするわけです。
実際に体験してみると魅力がわかるということで、自動車メーカーが力を入れているフィジタルマーケティングが「VR試乗」です。
「ホントに乗っているみたい!」とVR体験によってテンションが上がり、「自分で運転してみたい!」となれば、メーカーは自社ブランドのクルマばかりが並んでいるディーラーでユーザーを囲い込むことができます。
何しろバーチャルリアリティ(仮想現実)ですので、レースができたり、家の近所の風景が広がっていたり、見込み顧客をその気にさせるさまざまな仕掛けを盛り込むことができます。
とまあ、かなりフィジタルな事例を紹介させていただいたところで、「フィジカル(物理的なモノ)とデジタルの融合」という世界をつかんでいただけたのではないかと思われますが、
「一時期流行ったO2O(オンライン・トゥ・オフライン)みたいなことですか?」
「IoTとフィジタルって、ナニがどう違うの?」
「ネット通販で動画があったりするけど、あれってフィジタル?」
といった疑問が湧いてきた方もいるでしょう。
ネット通販…なるほど。これまでのネット通販はちょっと「フィジ」が足りないような。。。VRで仮想店舗内を歩き回れたり、「Z〇Z〇スーツ」でフィッティングするのはフィジタルっぽいですね。
次回は、「O2O」「IoT」という概念との違いを整理しながら、フィジタルとは何ぞやというテーマについて、もう1歩踏み込んでみたいと思います。