IT系のメディアが「ユビキタスは世界を変える!」とはりきっていたのは、2000年頃でした。家電、電話、時計、ミュージック・プレイヤーなど、あらゆるものがネットワークで結ばれるという当時の近未来予想は、IoTの浸透によって実現したと考えてよいでしょう。
技術の革新は、ITやネットの世界に死語を積み上げていきます。写メといわれると、「メ」って何?とツッコミたくなる10代が多いのではないでしょうか。
ITやインターネット関連の流行語を振り返ってみると、死語と化した言葉には3つのタイプがあります。「デバイスやサービスの進化によって消えていったもの」「当たり前になってわざわざいわなくなったもの」「出てきてみたものの、あまり流行らず空振りしたもの」です。
進化で消えた系は、「SNS」「スマホ」の発展によるものが多数あります。
「写メ」の「メ」、つまりメールはFacebookやLINE、Instagramのユーザー増加によって、ビジネス以外では使われなくなりました。「2ちゃんねる」など掲示板由来の「カキコ」も、Twitterの「ツイート」や、LINEのトークに置き換わっています。
Twitter隆盛の時代になっても根強く残っているのは、「www」「草」ぐらいでしょう。「ROM(読むだけで書き込まない人)」や、「禿同(激しく同意)」「うp(UP)」などのスラングも、ほとんど見かけません。
Twitterが使われだした頃に流行った「なう」も、既に使われなくなったなう。mixi全盛期の「足あと」も、今や懐かしい思い出です。
当たり前系では、Google検索の精度向上とサイトの表示スピードUPで、誰もがやるようになった「ネットサーフィン」。そういえば、「ググる」もわざわざいわなくなりました。
インターネットのエチケットを略した「ネチケット」を今さら気にする人はいないでしょう。一時期、爆発的に流行った「着メロ」「着うた」は、スマホが浸透してから話題にならなくなりました。
SNSやスマホに関係なく「流行らなかった系」は、IT用語が目白押しです。
「Web2.0」は、コンテンツの形成にユーザーが貢献する「ユーザ提供型」モデルだったと記憶しているのですが、わかりづらかったために自然消滅したのでしょう。フィジカルとデジタルを足した「フィジタル」も、リアルとデジタル、オンラインとオフラインといった別な表現のほうが馴染んだようです。
「ユーザーによって創られた、インターネット最大の3D仮想世界」と、大々的に取り上げられた「セカンドライフ」も、世界観や参加するメリットがわからないまま、下火になってしまったサービスです。
コロナウイルスの感染拡大でファン離れが懸念された「ポケモンGO」と「ドラゴンクエストウォーク」は、自宅で楽しめる仕様に変更し、固定ファンの減少を食い止めているようです。
今後、「死語の世界」に入るのではないかと思われる危険なワードは、コロナ禍の影響で取り上げる記事が減った「ワーケーション」、ブームが落ち着いた「タピる」、上の世代が使うようになってしまった「エモい」「ぴえん」あたりでしょうか。
爆発的ヒットの「鬼滅の刃」も、今年はオワコンになってしまうかもしれません。え?「オワコン」って、死語?!