「日本で一番のIT都市は?」と聞かれて、間違える方はいないでしょう。そうです。東京です。
東京都産業労働局が発行した「東京の産業と雇用就業」によると、2016年の情報サービス業における全国売上高24兆円のうち、東京が占める割合は61.5%。インターネット附随サービス業3兆円の東京比率は、84.5%という驚異的な数字です。
さて、2問めからいきなり難しくなります。「東京以外のIT都市といえば?」。規模だけで並べると、大都市がある都道府県が上位を占めてしまい、おもしろくないので、ここでは知られざるITの国を勝手にランキング形式で紹介させていただきます。
最初に挙げたいIT都市は、福岡市です。少子高齢化で人口が減っているなかで、IT企業誘致が功を奏して人口増加中。政令指定都市における14歳以下の人口増加率は、ぶっちぎりの1位だそうです(2018年1月1日の住民基本台帳より)。
2014年に「グローバル創業・雇用創出特区」に指定された福岡市は、IT企業誘致やエンジニアのUIターン支援を強化。産官学が連携して新たなサービスを考える「福岡AIコミュニティ」「福岡市IoTコンソーシアム」などのプロジェクトも推進されました。
近年になって、LINEやメルカリなどが福岡に拠点を置くようになり、創業支援やIT企業支援に力を入れている都市としての認知度は増しています。
すぐ隣の佐賀も、IT支援に注力しているのをご存じでしょうか。企業誘致や起業支援を行い、地元企業の高度化とIT企業集積度強化を推進した結果、2018年以降だけでも佐賀、唐津、伊万里に20社を超える企業が拠点を構えています。
2018年10月には「佐賀県産業スマート化センター」が開設され、AIやIoTを活用したサービスの創出や各種課題解決手法の検討が続けられています。教育にも力を入れており、2014年以降は小学校において全員にタブレットを配布。電子黒板の普及率は100%で、当然ながら全国1位です。
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2012年からサテライトオフィス誘致事業を強化している徳島も、IT企業誘致に力を入れています。
人口が減っている町の活性化を実現すべく、ケーブルテレビ網を活用して高速通信を充実させ、2018年7月現在で美波町17社、神山町16社、三好市7社、美馬市7社をはじめ61社の誘致に成功。デジタルコンテンツ系企業に対して、通信回線使用料や事務所賃料補助を行うなど、他地域との差別化を図っています。
サテライト企業誘致のプロモーションサイト「Tokushima Working styles」の充実ぶりを見ると、ITを中心とした街づくりを本気で推進しているのがわかります。
「知られざるIT都市」はまだまだあります。続きは後編で!