新サービス開発やインフラ整備、企業誘致などを積極的に展開している「ニッポンの知られざるIT都市」を紹介するシリーズの第2弾。
前編では福岡、佐賀、徳島を紹介しましたが、後半の最初に取り上げたいのは長野県松本市です。
国宝松本城を擁し、乗鞍岳や上高地などの観光スポットからほど近い街は、「松本ものづくり産業センター」を中心に地域のIT導入を推進。社員教育を行う「IT出前講座」や、中小企業支援を目的としたテレワークオフィスの設置などで、地元企業の業務効率化を進めています。
2019年11月には、新たなビジネスを創出していくためのICT拠点「33GAKU(サザンガク)」がオープン予定。
セキュアな通信環境を用意し、コワーキングオフィスや個人利用できるサテライトオフィスを充実させた新しい拠点には15社が入居することが決まっています。「共創・働き方改革・女性の社会進出」という3つの課題を解決するべく、企業・個人のネットワーク化支援やテレワーク活用推進を行っていくとのこと。
長野県では、軽井沢や駒ケ根でもテレワークオフィスを充実させており、首都圏の業務アウトソースニーズの受け入れや地域活性化、イメージアップなどを実現しようとしています。
IT都市といえば、沖縄を忘れてはいけません。沖縄にUIターンしたいエンジニアやWebクリエーターに情報を届ける「ITキャリア沖縄」には、150社以上の企業が求人情報を掲載。
20年の長きに渡り、観光業に次ぐ柱としてIT産業を育てようとしており、2018年7月には沖縄県、那覇市、大手通信企業やメーカーの共同出資により「沖縄ITイノベーション戦略センター」が設立されました。
那覇を拠点とした新しいプロジェクトの下で、新規ビジネス立ち上げ、ビジネスモデル実証、地元企業振興、ビジネスマッチングなどが行われており、地元のIT人材のスキル向上を促すセミナーが数多く開講されています。
このほか、プログラミング言語「Ruby」を軸としたオンリーワンのIT都市をめざして30社以上の企業誘致に成功した島根県松江市や、甲府、甲州、勝沼、道志村などに続々とシェアオフィスやサテライトオフィスを開設している山梨県も、知られざるIT都市として上位にランクインさせたくなります。
「勝手にTOP3」を選ぶなら、とにかく規模と推進力がハンパない福岡、長年の取り組みがさまざまな形で実を結んでいる沖縄、本気度が高い徳島でしょうか。「Ruby」による1点突破を目指す!とクセがスゴい松江も捨てがたいのですが……。
調べてみると奥が深いニッポンのIT都市たちによって、次世代の企業や技術者が続々と輩出されることを願ってやみません。