企業向けオンラインストレージ「Fleekdrive」をはじめ、「Fleekform」「Fleeksorm」などファイル管理や事務作業の効率化にフォーカスした自社サービスを展開する株式会社Fleekdrive。コロナ禍の際にフルリモートで働けるようになり、エンジニアの業務効率化が進んだ一方で、社内の情報共有や部署間の連携が課題となっていました。
そんななかで昨年の7月に入社し、管理部に配属されたUさんは、採用強化や組織の活性化を推進したほうがいいと考えました。部長に相談すると、ぜひやろうという話になり、同年10月に改善のパートナーとなるSさんが加わりました。
2人が最初に手掛けたのは、2023年を締めくくる「納会」の企画です。近所でおつまみやお酒を調達してささやかに実施していた納会は、おいしい料理を囲むパーティーとなり、東京・大阪・在宅の社員をネットワークでつないでゲーム大会で盛り上がりました。
社員の評価も上々で、「みんなの記憶に残る会にする」という目標は達成されたようです。
さて、ここからが【後編】の本題です。2024年は、管理部による組織改革の元年。コラボレーションにより業務効率化した組織をめざすUさんとSさんが気になっていたのは、エンジニアとの会話で感じる「部署間の壁」でした。
担当するサービスとミッションが明確で、プロジェクト内で連携できているのはFleekdriveの強みですが、「隣の部署が何をしているのかがわからない」「知りたい情報がどこにあるのかがわからない」といった声をよく聞いていたそうです。
業務に必要な会話しかなければ、在宅で働く社員が孤独感を抱いたり、若手の社員の視野が広がらなかったりします。大阪にいるUさんと、東京で働くSさんがコミュニケーションを密に取れている理由を考えると、「雑談が多く、お互いが何を考えているかを理解できている」ということに思い至りました。
「まずは気軽に話ができる雰囲気を作ろうと思い、1月から『MGMG(もぐもぐ)』を始めました。オンラインの部屋に4人ぐらいで集まって、おやつを食べながら雑談をする会です」(Sさん)
この時間になったら部屋へどうぞとお知らせを配信し、集まっていろいろ話すだけのシンプルな場です。
「参加する動機が必要と考えて、会社に交渉してひとり500円のおやつ代を出してもらいました。おやつで500円は、結構豪華です。私は、自分のお金では買わないようなものを選んでいます(笑)」(Uさん)
始めた当初は、「最近克服したこと」など、トークテーマを設定して場を盛り上げていました。そこから2回め、3回めとなり、MGMGの認知度が高まって参加者が増えると、社員同士で話し合いたいことを事前に募集するエンジニアが出てきました。
「毎回、実施した後にアンケートを取っているのですが、最近は『トークテーマはいらないんじゃない?』という意見も聞かれるようになり、社員の交流の活性化が図れている実感があります」(Uさん)
「自由参加なのですが、仕事の都合がつけば毎回顔を出す人が多いですね。これまでで、社員の9割が参加しています。MGMGのアイデアを思いついたのはUさんですけど、ネーミングは私です(笑)。親しみやすくて覚えやすい言葉にしようと、ネーミングにはこだわっています」(Sさん)
MGMGとは別な場として、5月にスタートした「FLEEKafé(フリーカフェ)」は、社名のFleekとCaféを組み合わせています。決まった時間に集まるMGMGとは違い、フラリと立ち寄って雑談を聞いて帰れる場として立ち上げたそうです。
「リモートで仕事をしていて、何となく寂しくなったときに雑談できたり、誰かの声を聞けたりするといいんじゃないかと考えて始めました。MGMGは顔出しですが、こちらはラジオみたいに聞くだけでもOKです」(Uさん)
「在宅で会社にいるような雰囲気を味わってほしいという思いがあって、始めました。MGMGより日常的で、ラジオみたいに聞いてもらうだけでもウェルカムだったんですけど、思ったよりラジオのように活用する人が増えてしまいました。私たちだけでまわすのは大変なので、いろいろ試行錯誤して、最近はゲストを呼んで話してもらったりしています」(Sさん)
同じ時期に立ち上げた「FLEEKbox(フリークボックス)」は、どこの部署にいえばいいかわからないことを投稿すると、返事がもらえる仕組みです。社内ポータルサイトに書き込むだけで、質問、要望、何でもOK。感謝の気持ちを伝えるだけでも使えるそうです。
「情報共有を促進する社内ポータルサイトの制作も公募でメンバーを集めて、ワーキンググループを作りました」(Uさん)
組織の活性化を推進する際に2人が大事にしているのは、社員のニーズがあるものに絞ること。どんな企画を実施するときも、必ずアンケートを取り、個々の評価や要望を把握できるようにしているといいます。
さらに、こんな企画も考案しました。
「3時のお知らせ。黙々と働いている社員に、肩をまわしてみましょう、足を上げてみましょうと呼びかけたいねと話しています。在宅の社員、ひとり暮らしの社員が増えているので、健康増進ですね」(Sさん)
「これも名前をつけて運用を開始しました。『3時ダヨ!全員Fleek!』です。このネーミングは、Sさんじゃなくて私です(笑)」(Uさん)
今年になってから、会社の雰囲気が変わったと評価してくれる社員もいるとのこと。問題意識と熱意がある人の呼びかけと行動によって、会社全体が動くこともあるという事例です。
「社内ポータルサイトは、会社の創立記念日に合わせて5月7日に公開したのですが、今年は創立5周年なので、『みんなの5』というコンテンツを作りました。好きなラーメンTOP5、ベンチプレスであと5kg挙げたい、5歳の頃の思い出など、社員のさまざまなエピソードを紹介しています」(Sさん)
このポータルサイトの名前は、「NO FLEEK NO HAPPY!」。自分たちが提供するサービスに対する誇りと、社員の働きやすさや会社のバリュー向上へのこだわりを一言で表していますね。
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