AI、AR、IoTなど、新しい技術が次々と話題になっているIT系の技術・サービス。
「5分でわかる!話題のIT系キーワード」は、国内・海外のニュースで最先端技術として紹介されているキーワードについて、その概念や対応するサービス、製品についてわかりやすく解説します。
【製品・サービス編】【近未来技術編】 に続く第3回は、2020年以降に本格的にサービス化されそうな【超未来技術編】をお届けします。
■BMI
肥満判定に使われている指数のことではありません。ITにおけるBMIとは、簡単にいえば、「脳とマシンをつなぐプログラム・機器」の総称で、ブレイン・マシン・インターフェイス(Brain Machine Interface)の略称です。
脳から発信される信号を解析できれば、人間が何を考え、求めているのかがわかり、それを機械に伝えることで意のままに動かすことができるというわけです。
この技術は、全身麻痺や半身不随になった人のパソコン利用や、義手の操作など医療分野を中心に実用化が進められています。
さらに将来的には、体内に半導体チップを埋め込んで自由に機器を扱えるようになるともいわれており、「耳にチップを装着した携帯電話」「腕にチップを入れて動かす車椅子」「思ったとおりに動くアンドロイド」などの研究が行われているとのこと。
満員電車やミーティングなど、人が密集したエリアで誰の指示で動くのかわからなくならないように、個人の識別信号も脳から発信したりするのでしょうか。
いや、そんな世の中になったら、小池都知事がマニフェストに掲げなくても満員電車なるものは存在しない世の中になっているかもしれません。脳にチップを入れて、自分の意思をコンピュータにダイレクトに伝える…興味深くもあり、ちょっと怖ろしくもある話です。
■自動運転システム搭載車
鉱山や建設現場では、既に稼働している自動運転システム搭載車。公道を走る車ということになると、国際的な道路交通条約で一定レベルに規制されており、実用化までにはもうしばらく時間がかかりそうです。
日本やアメリカが定義する自動運転システムのレベル(5段階)をわかりやすく説明すると以下のとおり。
レベル0=ドライバーがすべて操作(現在の自動車)
レベル1=アクセル・ハンドル・ブレーキのどれか1つを自動化
レベル2=アクセル・ハンドル・ブレーキのうち複数を自動化
レベル3=上記3つをすべて自動化し、システムが要請すればドライバーが対応
レベル4=完全自動化
矢野経済研究所の調査※によると、レベル2の自動運転システム搭載車は、高速道路における渋滞の際の自動追従や自動駐車機能の搭載から始まり、2020年より本格的な普及がスタート。2030年には世界の搭載台数で約2798万台になるとの予測。レベル3は2030年に約1787万台、レベル4はバスやタクシーを中心に約224万台。
※注.米国運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)の自動運転システムの自動化レベル0~4 までの5 段階の分類に準じる。2016年に6段階に変更。この記事の末尾「補記」参照。
※出典:株式会社矢野経済研究所「自動運転システムの世界市場に関する調査(2016年)」(2016年12月26日発表)
これから15年もすると、マイカーという概念が希薄になり、スマホ見ながら運転や酒酔い運転(非運転?)はOKという革命的な新自動車社会がやってくる可能性があるわけです。
エンジニアの視点で考えると、「運転が要らなくなったクルマ」には、今までは搭載されていなかったさまざまな技術やツール導入の可能性があります。
車窓風景の時間や季節を選んで楽しめるカスタマイズシステム、走っている地域に関する情報を車内のスクリーンに映し出すARプログラム、子どもでも自分で運転している気分になれるハンドルつきゲーム!?
2030年には、今のわれわれの常識を覆すようなIT系アイテムが流行しているのでしょう。
【補記】
この記事に「運転が要らなくなったクルマ」と書いたら、「ドライブ大好き♪」な編集部Bossに「ドライバーは要らなくならない!」と語気鋭くコメントされちゃいました。
また、自動運転システムのレベルについてNHTSAは、2016年9月に発表した政策においてSAE(Society of Automotive Engineers)の6段階(レベル5まで)の定義を採用しました。