AI、IoT、自動運転、5G、ビッグデータ活用、AR・VR、音声認識、スマートホーム…近年注目されたIT系のキーワードは、3年も経ないうちに、既に定着したもの、成長・拡大が期待されるもの、陳腐化したといわれているものに仕分けされています。
総務省が2019年7月に発表した「令和元年版情報通信白書」では、「ソーシャル、モバイル、アナリティクス、クラウド、センサー・セキュリティの頭文字をとった『SMACS』に関するスキルが重要」と語られていました。
しかし、1年後の現在は、「Distributed ledgers(分散型台帳技術、ブロックチェーン)、AI、Extended reality(拡張/強化現実)、Quantum computing(量子コンピューティング)」をまとめた「DARQ」が注目されています。
AR・VRに加えて、SR(代替現実)とMR(複合現実)が話題になっている空間関連技術は「xR」という総称で束ねられ、フィンテック、ヘルステック、HRテックがそれぞれ脚光を浴びた既存業界関連技術も「x-tech」といわれるようになりました。
決済、SNS、ECなど多機能の「スーパーアプリ」が台頭し始めると、ひと頃は踊り場を迎えたといわれたブロックチェーン技術が再びニュースで取り上げられるのを目にしたことがあるかもしれませんね。
テレワーク・リモートワークに関する技術も注目されている今、IPA(情報処理推進機構)が2019年6月に発表した「IT人材白書2019」で語られているIT人材の流動化は加速しています。
技術革新は、従来のユーザー企業が自前でIT化を進める動機づけとなり、リスクをとってチャレンジする風土がある企業に優秀な人材が集まる、という見方をすることもできます。
そんな企業が求めているのは「チャレンジ人材」。
IT人材の高齢化が課題となっているという「令和元年版情報通信白書」は、IT企業からユーザー企業への人材流出が進んでいるなかで、新たな人材育成が重要と指摘しています。
必要なスキルは、「特定領域におけるスペシャリティ」「ビジネスと技術領域の橋渡しができるコミュニケーションスキル」「ITとサービス統合において発揮されるユーザー目線とチームワーク志向」。
技術だけを専門とする従来型システムエンジニアの持ち場はそのまま、さらなる新しいエンジニアが必要になっていく傾向にあるのは間違いありません。
これだけ技術革新のスピードが速いと、何を軸としていけばいいのか迷いますが、確実にいえるのは「技術をベースにビジネスを設計できる人材」「コミュニケーションに長けた人材」「課題解決力や学習能力が高い人材」の価値は高まるということです。
生きづらい時代になったと捉えるか、さまざまなチャンスが広がっていると考えるかは個々のエンジニアに委ねられていますが、企業に求められるのがどちらのタイプであるかは、いうまでもありません。