VRエンジニア、AIエンジニア…新しい技術や機能が普及するたびに、システムやサービスを開発するスペシャリストのニーズが高まります。「新時代のITエンジニアお仕事カタログ」第3回は、IoTエンジニア。
いわゆる「モノのインターネット」のサービス開発を専門とする設計・開発者です。
未経験の方にわかりやすく解説するために「IoTエンジニア」とひとくくりにしましたが、ひとつの製品・サービスに必要とされる技術は多岐にわたるため、同じように「IoTエンジニア」と呼ばれていても、それぞれのエンジニアが持っているスキルはさまざまです。
まずは、IoTのプロジェクトにどんな知識・技術が必要とされるのかを整理してみましょう。
IoTのサービスには、インターネットを通じて配信された情報を表示するセンサーやデバイスが必要となるため、組み込み系のシステムに関する技術は必須です。
これに加えて、モノとインターネットをつなぐネットワーク、Webやスマートフォンのアプリ関連、サービスによってはAIに関する知識・技術も求められます。
ハードウェアとソフトウェア、Web、アプリ、AI、これらのすべてについて精通しているエンジニアなど、ほとんどいないでしょう。
IoTのサービス構築を進める際には、さまざまな強みを持ったスペシャリストが共同で開発するのが一般的です。広範囲な専門分野を持つエンジニアは特に貴重です。
知識・スキルを分解すると以上のような説明になるのですが、IoTに携わるエンジニアとして最も重要なのは、「モノのインターネット」でどんなことが実現できるのかを理解していることです。
IoTの製品・サービスの多くが、「数多くのデバイスにインターネットを取り付けることによって、さまざまな情報やサービスを的確に届ける」ことを狙いとしています。
これをふまえてサービスのプランニングをする際には、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、センサー、インターフェイスなどに関する見識が必要になってきます。
ソフトウェア、ハードウェア、Webなど特定の領域における専門性をベースに、IoTに欠かせない領域については、基本的な考え方や知識を押さえることから始めましょう。
IDC Japanが2018年9月に発表した「国内IoT市場 支出額予測と技術グループ別支出割合推移」によると、2022年までの国内IoT市場の年間平均成長率は15%で推移し、2017年に5兆8000億円だった市場規模は11兆7000億円に膨らむ見通しだそうです。
IoTのサービスに関わりたい、新たなサービスを提供したいと考える人に、まだまだチャンスは広がっています。