ヨコ文字ばかりで、何のことなのかイメージしにくいIT系キーワード。最近話題のワードについて「聞いたことはあるけど意味は知らない、でも知りたい」という方に向けて、関連する業務に携わっているソルクシーズのシステムエンジニアがわかりやすく解説します。
第1回は「IoT」。これ、何の略語かご存知ですか?略さずにいうと「Internet of Things」。日本では、「モノのインターネット」などといわれることが多いようです。
「簡単にいえば、さまざまなモノをインターネットでつないで、情報の受け渡しや連携を行えるようにして、より便利なものにしていくこと。ソルクシーズのIoTといえば、高齢者見守り支援システム『いまイルモ』がニュースで取り上げられることが多いですね」
今回お話を聞いたのは、「いまイルモ」の立ち上げからサービス設計に携わったCさんと、「いまイルモ」で使われているセンサーなどの仕組みをさまざまな用途で使えるようにしようと研究を重ねているDさんです。
IoT分野の開発では、道具としての使いやすさと、インターネットを導入することによる機能向上の両方を考えなければなりません。
Cさんが所属する「いまイルモ」のチームが今、取り組んでいるのは、多くの高齢者の状況を把握したい介護施設などのニーズに合わせて既存システムを機能向上させること。
「いまイルモ」は、介護施設のニーズに合わせてそれぞれの部屋の情報の一括管理や、ベッドにいるかどうかがわかる離床センサーを開発しました。これによって、見回りなどの負担を軽減し、少人数できめ細かい管理することが可能となります。
「現在、導入を進めている新しいサービスは、NECプラットフォームズ株式会社のプラットフォームPaPeRo(PaPeRo i)を組み合わせたロボットによる見守り支援システム『いまイルモPaPeRo i』です。
ロボットは、親しみやすい外見から高齢者の警戒心や孤独感を緩和してくれます。機能としては、薬を飲む時間をセットしておくと飲み忘れを音声やLEDで知らせてくれたり、室温が上がり過ぎたときにアラームで知らせてくれたりするのです」(Cさん)
Dさんの取り組みは、「いまイルモ」の高機能センサーの用途を拡大することです。部屋に人がいるのかどうかがわかり、室温や湿度、明るさも計測できるセンサーに、高齢者の見守り以外のニーズがあるのかと考え、対象を探っています。
「『いまイルモ』に実装されている人感センサー、ドアセンサー、温度センサーの全部が必要というニーズもあれば、人感センサーだけ必要、というケースもあると思います。身の回りのいろいろなモノがセンサー付きになるという世界で試してみたいことは多いですね」(Dさん)
「在宅情報を把握して宅配サービスの配送業務のロスを減らしたり、お客様が来店した時だけ店舗のカウンターに人を配置するなど、センサーを活用したIoTによって人手不足を解消するアイデアはまだまだあると思います」(Cさん)
「会議室が使用されているかどうか、電気の消し忘れがないかがわかればオフィス管理にも活用できますし、個室のある店舗の利用状況を受付でリアルタイムに把握することもできます。今、冷蔵庫に何がどれだけ残っているかわかるサービスを作れば、便利だと思ってくださる主婦の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
技術的にクリアしなくてはならないことも多いのですが、センサーの機能をさらに向上させれば、さまざまなニーズに応えられるのではないかとワクワクしながらアイデアを考えています」(Dさん)
お話を聞いていると、今後、「IoT」による新サービスが飛躍的に増えるのではないかと思われ、ニュースサイトなどから流れてくる新製品情報についつい目が留まります。
「ソルクシーズSEが解説!注目のIT系キーワード」、第2回は「fintech」です。