最近、何かと話題になっている人工知能(AI)。IT業界の話に詳しくない方には、未来の話に聞こえるかもしれませんが、既にさまざまなアプリやWebプログラムがリリースされており、サービス競争が激化しています。
「気分や条件に最適なグルメやホテルの検索・予約」「議事録作成」「自動作曲」「人材マッチング」など、AIが活用されている領域はさまざま。
そんななかで注目されているのが、アマゾン・ドットコムが提供しているクラウドサービス「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」の幅広さです。
AWSのなかで、AI関連のサービスカテゴリとなる「Amazon AIサービス」のページ を見ると、彼らが扱っているサービス領域の広さがひと目でわかります。
「AIサービス」「AIプラットフォーム」「AIフレームワーク」「AIインフラストラクチャ」という4つに分類し、開発者が自由に活用できるように提供しています。
●まず「AIサービス」は、既に用意されているAIを使用するサービス。画像認識サービス「AMAZON REKOGNITION」、テキストを音声で読むサービス「AMAZON POLLY」、自然言語認識サービス「AMAZON LEX」という3つのサービスがあります。
●「AIプラットフォーム」は、独自にAIを作成し、学習させたい時に使うサービス。データを活用した機械学習のテクノロジーを利用できます。
これでもまだ抽象的なので、もっと噛み砕くと、「スポーツの結果予想」「飲食店の来客数の想定」など、過去のさまざまな数字を使って未来を予想・予測したいサービス向けに、そのプログラムを提供するものです。
「AMAZON MACHINE LEARNING」は、毎日数十億件の予測プログラムを作成しており、それらの結果をリアルタイムに処理できるとのこと。以前なら、こんな仕組みは高額な利用料が必要だったのですが、利用したぶんだけ払えばOKとなったのは、多くの利用者でコストをシェアするクラウドサービスが実現したからです。
●「AIフレームワーク」は、AIの学習の仕方から独自で作成したい場合に利用できます。研究者やデータサイエンティスト向けに、Apache MXNet、TensorFlowなど主要なAIフレームワークを提供しています。
「AWS Deep Learning AMI」には、7種類のフレームワークと起動設定ツール、他のAWSサービスと統合できるパッケージなどが含まれています。
●「AIインフラストラクチャ」は、これまで述べたサービスやフレームワークを提供するための仕組み、つまり「基盤」です。
「Amazon AIサービス」は、これら4つの領域を「すべての開発者向けのAIソリューション」として、従量制のリーズナブルな価格で提供しています。
そこでめざしているのは、「規模の拡大によるコスト分散 ~ 安価なサービス提供」。AIに関する多彩なサービスを速く提供することによって多くの開発者の利用を促し、大勢が使うからこそひとりあたりの利用料を安くできるというクラウドサービスのメリットそのものです。
AIに興味がある方は、ペースを落とさず新サービスを提供し続ける、と明言しているアマゾンの動きに注目してみてはいかがでしょうか。