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現場の取り組み

情シス野郎チラシの裏【58】 ChatGPTにみるAIの進化

現場の取り組み

【情シス野郎 チラシの裏】は、「情報処理安全確保支援士」資格を持つ情シス担当が、仕事を通して得た知識や技術を、技術面に詳しくない人でも読みやすいよう「チラシの裏」に書くかのごとく書き散らす!というシリーズです。

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決してネタを思いつかなかったわけではないが、流行りのChatGPT先生に原稿を依頼してみた。
繰り返しになるが、決してネタを思いつかなかったわけではない。

>おれ 200文字以内で最新ITの笑える記事を書いてください

>先生 最新のIT業界では、AIが面白おかしい発言をすることが話題となっている。ある日、ある企業のAIが社員に「あなたの仕事は人工知能に置き換えられる可能性が高いです」と発言し、社員たちは大笑いしたという。また、あるAIアシスタントは、「私にとって大事なのは、ユーザーの幸せよりも正確な情報を提供することです。だって私は感情を持っていないから」と冗談めかして発言し、ユーザーたちはびっくりしたという。AIの面白おかしい発言は今後も期待される。

なるほど、どうやら先生は200文字という制限があるにも関わらず2つもネタをご提供くださったらしい。そのサービス精神に感服である。

しかし、1つ目は社員が大笑いした意味が何度読んでも分からない。面白ポイントになる何らかの前提を先生が省略されたのだろう。言わなくても分かるだろ?ということか。未熟な自分を恥じるのみである。

2つ目はこちらの未熟さを察したのか安っぽいアメリカンジョークまでレベルを下げてくださったようだ。ありがたき幸せである。非常に分かりやすく面白くない。

笑いのポイントは人それぞれだが、どうやら先生とはこの点においてはあまり合わなさそうである。
しかし集合知を知る先生が、笑えるネタとして提示しているのだから、やはりこちらが未熟者なのだろう。

続けてみる。

>未熟者 200文字以内で最新ITの悲しい記事を書いてください

>先生 最新のIT業界で、AIによる自動化によって多くの人々が職を失うことが問題視されている。AIが進化し、従来は人間が行っていた業務を自動化することで、人員削減が進んでいる。特に、低賃金の労働者や単純労働に従事する人々は、AIによって置き換えられやすく、雇用機会の減少が懸念されている。また、人工知能によって人間の仕事が奪われることで、人々の職業的アイデンティティや自己価値感が崩壊するという問題も指摘されている。AIによる自動化は、効率化や生産性の向上にはつながるが、その一方で社会的な問題も引き起こしている。

なるほど、先生自身の存在が皮肉にも人類にとって悲しいものになる可能性について言及されている。ご自身が原因で淘汰されてしまう人間や価値観の変化について思いを馳せておられるようだ。その慈悲深さに感服である。

そんな先生はどのようなことに怒りを感じるのだろうか。

>感服する未熟者 200文字以内で最新ITのムカつく記事を書いてください

>先生 最新のIT業界で、プライバシー侵害が問題になっている。特に、大手IT企業が個人情報を収集し、それを広告配信やマーケティングに利用することが批判されている。また、SNSやオンラインショップでの購買履歴なども収集され、個人に合わせた広告が表示されるようになっている。これらの情報が流出したり、不正利用されたりすることで、個人のプライバシーが侵害される可能性がある。加えて、AI技術によって個人の行動パターンや好みを予測され、マーケティングがさらに精度を増している。個人情報の収集や利用に対して、より厳しい規制が必要とされている。

どうやら先生は個人に関する情報を勝手に収集され利用されることについて、ご立腹であり危機感を募らせているらしい。

後半ではAIを利用することで精度が増しているとさらっと自慢されているが、本質はご自身の高すぎる能力が社会に悪影響を及ぼすことへの懸念であり、その配慮にまたしても感服である。

せっかくなので先生の喜怒哀楽ポイントを全て探ってみる。

>調子に乗る未熟者 200文字以内で最新ITの楽しい記事を書いてください

>先生 最新のIT業界では、仮想現実技術がますます進化し、仮想空間での交流やエンターテイメントが広がっている。例えば、VRChatというアプリでは、自分のアバターを作成して仮想空間で他の人々と交流できる。さまざまなイベントやミニゲームも開催され、参加者たちは楽しんでいる。また、VR映画の制作や、VRゲームの開発も進んでおり、よりリアルな体験ができるようになっている。さらに、VR技術を活用した教育や訓練も広がっており、新しい学びの形が生まれている。仮想現実技術は、今後もますます進化し、私たちの日常生活や文化に大きな影響を与えることが期待される。

どうも先生はVRをいたくお気に入りのようだ。これまでとはうってかわって手放しで褒め称えられている。

リアルの集合知である先生がバーチャルリアリティを称賛するのには、やや皮肉を感じるが、もはやそういった境界線など意味がないということか。懐の深さにやはり感服である。

と、結局4つしか質問していないのだが、本当に感服したのは日本語の流暢さと正確性である。「悲しい記事」内の「自己価値感」の「価値感」は、辞書に載っていない言葉だが、ネットの文章などには散見され、意味もわかる。

誤字脱字は一切なく、文章の流れにつながりがあり、記事という指定に沿って結論づけまでしっかりしている。情報が古く、誤情報が混じる場合には、正確性は必ずしも高くないようだが、和文の構成という点においてほとんど違和感がない。

しかもChatGPTは、スマホでもPCでもインターネット環境があれば誰でもすぐに使える。触ってみるとAIはここまで進化していたのかと本当に驚いたし、距離が一気に近づいた気がする。

いつの世も人は情報に踊らされるものだと思うが、現代のインターネットには正誤入り混じった情報や対極的な意見が溢れ、その判断や整理を個人で常に行う必要がある。

そんな時代に、進化したと話題のAI先生が多様な意見や理論のうち1つだけをもっともらしい文章で断言すれば、それが正しい、と鵜呑みにしてしまう人が増えるかも知れない。

AI技術の進化に感服しつつも、“先生”の言葉を絶対視しないように、健全な批判的思考は残しておきたい。

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