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情シス野郎チラシの裏【54】 eスポーツ

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【情シス野郎 チラシの裏】は、「情報処理安全確保支援士」資格を持つ情シス担当が、仕事を通して得た知識や技術を、技術面に詳しくない人でも読みやすいよう「チラシの裏」に書くかのごとく書き散らす!というシリーズです。

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いきなりだが、おれはeスポーツプレイヤーであり、いわゆるファンでもある。別に隠しているわけでもないので、今日はそのへんについて書き散らしていこうと思う。

出会いは黎明期の2013年、当時から世界で最もユーザー数の多いeスポーツタイトルの一つである「League of Legends(LoL)」というゲームを始めた。

日本での一般知名度は高いとは言えないが、一時期は世界のインターネットトラフィックの数%はこのゲームによるものだったほど、世界では人気のあるタイトルである。

このLoLというゲームを簡単に説明すると、2つのチーム(5vs5)に分かれ、10人がそれぞれのキャラクターを操作し、味方と協力して相手と戦ったり、オブジェクトと呼ばれる建造物を破壊したりしながら、相手の本拠地を占領した方が勝利となる。

1試合約30分程度で、試合が終わるとその試合で手に入れたアイテムや経験値は全てリセットされ、次の試合ではまた1からのスタートとなる。

2013年から数年間、中学以来の悪友である一流ビジネスマンと2児のパパの皮を被った“こどおじ”達と結託し、日本にLOLゲームのサーバーが無い時代にわざわざ北米サーバーに繋ぎ、アカウントを作成して数年間夜な夜なプレイしていた。

北米サーバーなので当然チャットなどは全て英語であり、太平洋を跨ぐために通信ラグも大きい。

Fu〇kやらなにやら味方同士で罵り合う、黎明期のマニアックなステージで、英語が分からないことを良いことに黙々と、敵と通信ラグと時には味方と戦い、こどおじ達とSkype(当時はまだDiscordは知られていなかった)をつないで、ゲームに興じていたのだ。

さて、世界のeスポーツ市場規模は、おれがLoLを始めた翌年の2014年時点で219億円。しかし2021年時点1865億円まで成長しており、まさに右肩上がりで市場は拡大している。

大会視聴者数で言えば、上記LoLの世界大会はNFLスーパーボウルやMLBのワールドシリーズを凌ぐ。競技人口もバスケやサッカー、クリケットに次ぐ4位で、テニスと同程度であるらしい。

大手企業もこのビッグウェーブに乗るべく、2014年、米Amazon社はゲーム配信プラットフォームの最大手Twitchを買収、2015年には中国Tencent社がLoLをはじめとしたeスポーツタイトルを多く開発提供しているRiot Gamesを100%子会社化するなど、大きな動きを見せてきた

 

ところがそのような中、日本では2017年までLoLですら正式にサービス提供されていなかった。

当時LoLは、eスポーツ4大国である北米、EU、韓国、中国はもちろん、ブラジル、トルコ、ロシア、メキシコなどにも既にサービス提供されていた。日本はそれらの国よりも数年遅れてのスタートである。

それを表すかのように、2017年時点で国別のeスポーツシェアのうち日本はわずか0.5%である。ちなみに、北米が3分の1を占め、中国と韓国が続くという具合だ。

このように、日本はeスポーツ全体で大きく世界から出遅れてしまったのが実状である。

大手ゲーム会社が存在し、ゲーム好きが多いと思われる日本だが、なぜeスポーツはそれほど流行ってこなかったのだろうか。

個人的に思う一つ目の理由は、明確な勝敗をつけたがらない日本人の国民性である。

eスポーツという名の「ゲーム」は何をもってスポーツ扱いされるか。
一言で言えば競技性である。

競技性を担保するために最も必要なことは、「プレイヤー自身のスキルと多少の運のみ」を要素に、「勝敗が決する」ことであろう。

どんなに高いバットを買ってもスイングする腕は誰でも最大2本しかないし、どんなに高い碁石を買っても一手で置ける石は一つだけである。

そこには厳然たる平等があり、それこそが競技の醍醐味である。だからこそ野球も囲碁も競技と言える。

eスポーツをそういった平等な条件下で勝敗を決めるゲームと定義した場合、少数、ひいては自分のスキルのみでの勝ち負けをつけたがらないタイプの多い日本人には、好まれないように感じる。

実際、一緒に遊んでいたこどおじ達も、自分がチームを勝たせる!という意識より、足を引っ張らないことに軸を置いて、勝敗は他者に委ねるというタイプが多かった。和の国、ニッポン。

悪いこととは思わないが、そういう意識だとあまり面白く遊べないのではないだろうか。

二つ目は、PC問題である。

eスポーツタイトルはPCゲームが非常に多い。

今では家庭用ゲーム機のタイトルもあるが、特に初期はほとんどPC向けタイトルであったため、PCでゲームを楽しむ文化があまりない日本人には、そもそも触れる機会がなかったのも大きな理由だと思う。

また今でこそゲーミングノートでもプレイ可能だが、当初は性能面でデスクトップPCが要求されており、部屋の狭い日本では環境的に難しかったというのもあるかもしれない。

三つ目はスマホの存在である。

日本人のスマホ依存度はインド、韓国に次ぐ世界第三位と言われる。

PCゲームにとって、スマホゲームと家庭用ゲーム機は競合であり、スマホで可処分時間を使いきってしまえば、当然PCでゲームをやる時間は生まれない。

いわゆるソシャゲと呼ばれるスマホゲームも、あの手この手でユーザーにログインさせてお金を落とさせる策を講じているため、一度沼ってしまうとなかなか抜け出せない。

PCゲームはいかにしてユーザーをスマホから脱却させるか、今後の市場拡大に向けての大事なポイントになるのではないか。

さて、おれの思う日本が出遅れた理由は上記の通りで、プレイヤーの数が急激に大きく増えるのは、現状からするとやや考えづらいというのが本音である。

もちろんプレイヤーが増え、その中から世界で戦える選手が出てくることは業界の盛り上がり、ひいては市場拡大に最も有効ではあるが、サッカーのようにどうしても世界に追いつけなかったとしても、見て楽しむことは誰でも出来る。

ゲーム関連の配信者はここ数年で激増しているし、余暇の選択肢としてテレビ視聴からネット視聴に大きく動いている中、eスポーツ市場が日本だけ冷え込むことはおそらくあり得ない。

またeスポーツのプロプレイヤーの特長として、他の競技と違い、SNSなどを通してファンや視聴者との距離が非常に近いということが挙げられる。

若くして両親に応援されプロゲーマーの道に進んだ選手も、脱サラしてプロチームの経営を始めた経営者もいるし、いずれも若いころに人生を賭けた人達である。SNSや配信を通してそういう人間ドラマを追えるのも、一つの楽しみかもしれない。

どうせゲームでしょ?くだらない。という日本っぽい先入観は、おれも2児を育てるおじさんなので気持ちはわかる。

しかし、野球も囲碁も将棋も最初はただのゲームであった事実を考えれば、固定観念にとらわれずに見てみようという気になるのではないだろうか。

プレイするだけがスポーツではなく、観戦や応援もまたスポーツとの関わり方である。

※この記事はデータ部分について下のnote記事を参考にしています。
データで見るeSports / eスポーツ業界・市場動向レポート(日本・海外)

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