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ITトレンドレポート

ガートナーが発表した「2024年の戦略的テクノロジのトップトレンド」をチェック!【後編】

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AIとセキュリティ関連のトレンドを紹介した【前編】に引き続き、ガートナーが2023年11月に発表した「2024年の戦略的テクノロジのトップトレンド」について解説します。

10大トレンドのうち、前回紹介したのは「AI TRiSM」「AI拡張型開発」「ジェネレーティブAIの民主化」「CTEM」。このほかの6つを見ると、エネルギー消費の抑制やシステムエンジニア・ソフトウェアエンジニアの負担軽減など、ESG (環境、社会、ガバナンス)を考慮したトレンドが目立ちます。

最初に紹介する「持続可能なテクノロジ」は、まさにESGの成果につながるフレームワークです。AI、仮想通貨、IoT、クラウドの利用が増えると電力消費が膨大になり、環境への影響を考える必要が生じます。

今後、新たに立ち上がるサービスは、エネルギー消費の効率化が求められるようになります。ガートナーは、「これからはCIO(Chief Information Officer)が重要になり、持続可能なテクノロジの影響に連動する報酬を受け取るようになる」と予測しています。

たとえば、企業がESG (環境、社会、ガバナンス)目標に関連する指標を設定し、その達成度に応じてCIOの報酬が影響を受ける、ということです。

プラットフォーム・エンジニアリング」は、システムやサービスの開発における生産性とユーザーのエクスペリエンスを両立させる取り組みを指し、ソフトウェアの開発チームが構築するプラットフォームによって個々のエンジニアの負担を軽減しようとしています。

AIを活用したサービスで構成される「インテリジェント・アプリケーション」も、機械学習やデータ分析、RPAなど作業を自動化する仕組みによって、ビジネスのスピードを加速させるといわれています。

2017年に、「今後10年のうちにすべてのアプリケーションとサービスが、一定レベル以上のAIを取り込む」と予測したガートナーは、「2026年までに、独立系ソフトウェアベンダーの80%以上が、エンタープライズ・アプリケーションに生成AI機能を組み込む」といっています。

今後は、ウェアラブルアプリ、ボット、AR/VR、決済システムなどがさまざまな形で統合され、開発・運用業務や消費者の購買プロセスの簡略化に寄与するはずです。次に紹介する「拡張コネクテッド・ワークフォース」も、インテリジェント・アプリケーションを活用する戦略のひとつです。

拡張コネクテッド・ワークフォースが実現するのは、企業に所属する従業員のウェルビーイングや能力開発の効果の向上です。人材育成のスピードUPを実現したい企業が増えているなかで、拡張コネクテッド・ワークフォースが機能すれば、組織の生産性向上のみならず、従業員のロイヤリティの向上や採用の改善も実現できる可能性があります。

残り2つは、業界特化のルールやサービス形態、ビジネスプロセスに対応する「インダストリ・クラウド・プラットフォーム」と、人間の代行として商品やサービスの購買・交渉を行う「マシン・カスタマー」です。

インダストリ・クラウド・プラットフォーム」は、SaaS/PaaS/IaaSの基盤サービスを組み合わせて、業界特有の要件に対応します。ソルクシーズグループが展開する個別クレジットシステム「 杯王(カップオウ)on Cloud」や、ノイマンが開発している自動車教習所向けのシステムも、そのひとつです。

ガートナーによると、現在インダストリ・クラウド・プラットフォームを活用している企業は15%未満だそうです。今回のレポートは、2026年にインダストリ・クラウド・プラットフォームを利用する企業は70%以上に急増するとしています。

マシン・カスタマー (顧客ボット)」 は、2028年までに150億になるとのこと。「さらにその数年後には数十億個増え、2030年までに数兆ドル規模の収益の源泉となる」といわれても、数字が大きすぎてピンときません。

6年前にガートナーが予測したAIの普及が現実となっているように、何年かするとマシン・カスタマーが当たり前にお買い物をしている世界になっているのでしょうか。資産運用サービスにおけるロボアドバイザーは、マシン・カスタマーの第一段階である人間の代行を既に超えており、第二段階の「状況に適応する顧客」に進化しています。

以上、前編・後編の2回に分けて、ガートナーの「2024年の戦略的テクノロジのトップトレンド」を紹介しました。生成AIを活用したサービスや業界特化のクラウドは、既にソルクシーズグループも新たなソリューションの開発を進めている領域です。彼らの見立てが妥当なら、3年後のビジネスシーンは今とは違う世界ですが、果たして…?

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