「Embedded Technology 2017」内で開催される「組込みIoT & AIハッカソン2017」。こちらへの参加を検討している企業や個人に向けた「スタートアップセミナー」の様子をレポートしています。
前回に引き続き、ハッカソンに取り組むにあたり、聞いておきたいプロフェッショナルの講演内容をご紹介。
【講演2】
「AI、IoT時代におけるモデリングの価値とは」 渡辺博之 氏(ET本部長/エクスモーション)
これから迎えるAI、IoT時代に、モデリングは不要になる?!というショッキングな問いかけで講演は始まりました。
開発作業の効率を飛躍的にUPさせつつ、品質も向上させる、というモデリング技術で、製造現場を支援し続けている株式会社エクスモーション。大手顧客である自動車業界の製造現場にも、AIやIoTの技術が続々と取り入れられてきています。
現在は「第4次産業革命」の時代。第1次:蒸気機関、第2次:電気、第3次:電子 に続く、第4次は、AI革命?と思いきやIoTの側面から「CPS」の時代、とも言われているそう。
CPSとはサイバーフィジカルシステム(Cyber Physical Systems)のこと。現実空間 と サイバー空間をつなぐシステム。CPSは「現実世界のモデル化」と言いかえることもできる、と渡辺氏は言います。
第4次産業革命では、CPSの構成要素として、ビックデータやAI、IoTが出現してきた、というだけ。とすると、今後もモデリングは、製造の現場で活躍し続けることができます!あぁ、よかった(笑)
講演メモ (クリックで拡大します)
AI, IoTをテーマとしたセミナーを聞きにいくと、「第4次産業革命時代の取り組みで、日本は大きく遅れをとってしまった」という話を耳にします。政府としても重要課題と捉えているようで、『未来投資戦略 2017』が今年6月に発表されました。
その中に課題のひとつとして「人材の育成・活用力の強化」が挙げられています。特にAIやIoT活用のスキルを持ってイノベーションを創出できる人材が求められています。(上記文書の中には“異能(Inno)vation”なんて言葉も。。、笑)。
「組込みIoT & AIハッカソン2017」は、まさに、そんな人材育成のチャンス!
講演の最後に渡辺氏は、「まだまだAIと人間の協業が続くだろう」と予想していました。
システムで考えたとき、大量のデータをすべて処理したり、その中から必要なものをすばやく検索してきたりするのはAIのほうが得意です。一方、システムの全体を俯瞰したり、参考となるデータが少ない場合に直感で判断したりするのは人間のほうが得意。
直感力、、、人間に残された、生き残りのための最後の能力のように私は思います。いつか「直感力」のしくみさえAIが解明する日が来るのでしょうか。。。
【講演】レポートは、ここまで。次回記事では、【2016年 受賞チームセッション】&【スポンサーセッション】 についてレポートします。