デジタル技術の活用により、新たな商品・サービスやビジネスモデルを創出するデジタルトランスフォーメーション(DX)。経済産業省は2018年に、「国内の企業がDX推進に失敗してビジネスモデルの創出・改変を実現できなかった場合、2025年以降に年間12兆円の経済損失が発生する(2025年の崖)」と予測しています。
これ以降、多くの企業がDXを重要なプロジェクトと位置付け、早期の実現をめざしましたが、思うように進んでいない企業が多いようです。DXを推進していくために欠かせないのが、プロジェクトをスムーズに進めていける「DX人材」の存在です。
ここでいうDX人材とは、「IT関連の基礎知識」「AI・IoTといった先進技術の知識」「ユーザビリティの高いシステムを開発するスキル」「データ分析・ビッグデータ活用の知識」「プロジェクトマネジメントのスキル」などを備えた人材を指します。多くの企業で、このDX人材が不足しており、プロジェクト推進の大きな足かせとなっています。
総務省が公表した「令和3年版情報通信白書」によると、人材の不足を問題視している日本企業の割合は53.1%。比較対象としているアメリカ(27.2%)・ドイツ(31.7%)を大きく上回っています。
人材以外の課題として挙がっていた「費用対効果が不明(32.8%)」「資金不足(26.9%)」「既存システムとの関係性(25.8%)」と比べても、スキルがある社員がいないと嘆く企業が多いのがわかります。
このまま人材不足が続き、DXを実現できなければ、多くの企業は国際的な競争力を維持できず、グローバルな時代を生き残ることができなくなるでしょう。
では、日本企業が人材不足の状況を乗り越えていくためには、どのような解決策が考えられるでしょうか。【一つ目の方法】としては、即戦力となるDX人材の採用を進めていくことです。
経済産業省は企業のIT人材採用を促進するために、特定の研修を受講してスキル・知識を身につけた人材に、デジタルバッジ付与を行う仕組みを整備しています。これによりデジタルに精通する人材を、企業側がより的確に見極められるようになるでしょう。
しかし日本では、少子高齢化などの影響もあり、IT人材のニーズに供給が追いついていません。また、DX人材にはIT+αのスキル習得が必要です。そのため【二つ目の方法】として、長期的な視点で手間と時間をかけて社内のDX人材を育成していくことが重要です。
具体的には座学・スキル学習・OJT・社外での研修といった学びの場を積極的に創出。社員の知識・スキル習得を促進していく必要があるでしょう。
加えて経済産業省は、2021年に「デジタル時代の人材政策に関する検討会」のなかで能力・スキルを見える化することの重要性を示しました。適切な目標設定と人材評価により、学びがキャリアアップなどにつながる仕組みを整えることで、社員の意欲向上をねらえます。
また、たとえIT人材の採用・育成が進んだとしても、キャリアアップできる環境と企業文化がなければ、能力を発揮できず離職してしまう可能性があります。DXを本格的に推進するなら、企業文化の醸成や体制づくりも重要な課題となります。
IT人材を採用する難しさや、社内でのDX人材育成にかかるコストとパワーを考えると【三つ目の方法】として「外部リソースの活用」も視野に入れておく必要があるでしょう。
例えばクラウド事業者が提供するパブリッククラウドを利用すれば、IT投資の費用を抑えて業務データの共有・活用を推進し、業務のスピードアップを図ることが可能です。
あるいはDX関連のノウハウがあるSIerをアサインすれば、全体のコーディネートから企画・設計、社内のデータ活用・業務のデジタル化・運用のアドバイスや代行といったさまざまなサポートを受けることができ、適切なフローでDXを推進できます。
ソルクシーズも、大手企業を中心としたDX推進をサポートするために、さまざまなサービスやソリューションを提供している会社です。
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