将来を考えるシステムエンジニアのためのキャリアアップ応援企画「最先端スキルとスペシャリスト職種」の後編です。
前編ではAIとセキュリティ関連の人材ニーズとスキルについて紹介しましたが、この後編では、AI関連技術の「音声検索」「コンピュータビジョン」※や「機械学習エンジニア」「クラウドエンジニア」「サポートエンジニア」について解説します。
※コンピュータビジョン:簡単に言うと、ロボットの目。
AIの普及が進めば、音声検索やコンピュータビジョンの開発ニーズも爆発的に増えると予想されています。IDCは、AR/VR関連製品・サービスのマーケットが、2017年の114億ドルから2021年には215億ドルに増加するという見通しを発表しています。
調査会社「ComScore」は、2020年には検索ニーズの半分が音声によるものになると予想。音声検索もコンピュータビジョンも、一般消費者向けのサービスニーズに留まらず、企業の業務効率化・スピード化にも活用されるといわれています。
「機械学習エンジニア」は、さまざまなデバイスやプラットフォームに対応する機械学習のシステムを開発する仕事です。
データモデリング、アルゴリズム、高度なプログラミング能力に加えて、確率や統計に関する知識も求められます。
現在の機械学習システムは、一部サービスやロボットなどに搭載されているだけに見えますが、近い将来には各企業の業務プロセスに組み込まれることになり、専門人材ニーズは急激に増える見通しです。
クラウド関連に精通した「クラウドエンジニア」のニーズも、企業のシステムや業務改善の動きにリンクしています。すでに多くの企業が自社システムをクラウドに移行しており、今後は中小企業においても利便性とリスク回避が考慮されたシステムが増えていきます。
企業のシステム開発やリニューアルを依頼されるエンジニアは、クラウドと自社システムを効果的・効率的に連携させるプランの推進を求められるようになるということです。
企業にAIが導入されると、対応する社員のトレーニングやヘルプデスクが重要になります。
現在の社内SEは、自社システムの開発・運用や問い合わせ対応が主な業務となっていますが、AI導入後の「サポートエンジニア」には、専門的な知識に加えて業務改善のノウハウやトレーナーとしてのスキルまで求められるようになるでしょう。
さて、ここまで紹介したなかに、みなさんが「めざしてみたい」と思うスペシャリストはありましたか?
変革の時代には、いち早くニーズを察知して早く行動を起こすことが求められます。
「企業や消費者のニーズに対して、最先端のスキルで答えを出せるシステムエンジニアの未来は明るい」…サービスや業務プロセスが多様化しても、これだけは共通していえることなのではないでしょうか。