■コミュニケーションの変化
企業内ソーシャル(エンタープライズソーシャル)という考えがコラボレーションツールに組み込まれるようになって、私たちのコミュニケーションはどのように変わってきたのでしょうか?
チャットや Web ミーティングなど、企業内のリアルタイムコミュニケーションが進んでいます。昔は電話、メール、ファクシミリで連絡をとっていました。現在は、ちょっとした話ならチャットで、さっさと済ませてしまえるようになりました。
メールもチャットも文字をタイプすることは同じですが、結果がでるまでの時間は圧倒的に違います。
会議の日程調整で比べてみましょう。参加者がニ、三人の場合はよいですが、五人、十人、、、となるとメールだけで日程調整するのは大変ですよね?グループチャットを利用すれば、その場で全員を招集して日程を調整・決定することができます。
会議招集者は一人一人の候補日を突き合わせたり、都合が合わない場合に再度メールを出す手間がなくなります。これにより決定までの時間を大幅に短縮できます。さっさと決められることはその場で決める。ビジネスの鉄則です。
■リアルタイムコミュニケーションの利点
リアルタイムコミュニケーションは、在宅勤務や BCM(事業継続マネジメント)にも大きな力を発揮します。
在宅勤務を考える際には、リアルタイムコミュニケーション手段の確保は必須事項です。
例えば、子供が病気で出勤が難しい、しかし、今日はどうしても重要な要件があってそれだけはなんとかしたい!といった場合に有効です。
東日本大震災以来、BCM の話もよく出るようになりました。あの時、私は運良く社内にいたのですが同僚の多くが社外にいました。(当時はまだリアルタイムコミュニケーションツールを導入していませんでした。)
安否の確認のために電話をかけてもつながらなくてやきもきしました。メールでなんとか連絡を取りましたが、一方通行で思ったように情報が伝わりません。
しかし、その災害時に Twitter などのコミュニケーションツールは大活躍しました。もっとツールが普及していれば当時の企業活動の混乱ももっと違った結果になっていたでしょう。
■働き方の変化
リアルタイムコミュニケーションツールが普及してくると仕事を行う時間と場所の制約が減少します。
その結果、働き方の一つの方法として在宅勤務が増えていくでしょう。
会議の仕方も変わってきます。顔を合わせた会議も大事ですが、ほとんどの会議はリアルタイムコミュニケーションツールを使った会議に置き換えできます。従来の会議方式では全員が特定の時間に集まるのが難しいですが、ツールを使った参加なら移動時間も不要なので開催しやすいでしょう。
また、今まではスケジュール調整が難しいために限られていた開催頻度も必要に応じて増やせます。勤務地が違う場合は、出張費や時間の節約にもなります。(出張の楽しみがなくなるのは残念ですが・・・)
都合があって議論に積極的に参加はできないけれど、聞いてはおきたい場合もツールなら気軽に参加できます。実際に子育てのため時短勤務の同僚が夜間のミーティングに参加したケースもあります。
(これが歓迎されることかというと微妙なところですが・・・)
これからは、この辺のバランス感覚が重要になっていくでしょう。
■便利さの一方で。。。
今回は、リアルタイムコミュニケーションで時間と場所の制約が少なくなり、便利になってきていることについて話をしました。
しかし、いつでも、どこでもコミュニケーションが取れるということは、プライベートと仕事の境界が曖昧になってくるということです。真面目な人が寝る間もなく自宅でも仕事に・・・ってことがないような仕組みやルール作りが必要です。
勤務時間については、法的な問題となる場合もありますので注意してください。
ツールはあくまでも私達の仕事と生活をより良くするための道具ですからね!
次回は、社内の情報やツールを「フローとストック」という観点から考えてみたいと思います。