「新型コロナウイルスが感染拡大する前から、Web面接をやってみようという話はあったんです」。
2月から準備を始め、3月からスタートした新しい面接のスタイルは、ソーシャルディスタンスが叫ばれる空気のなかで、採用フローの中心に位置づけられるようになりました。
第1回では、意外とスムーズだった面接システムの導入について紹介。今回は、緊急事態宣言をきっかけに実施に踏み切った「Web会社説明会」をレポートします。
「昨年まではプログラミングの実技があり、学生の受けがよかったのですが、Web説明会となった際に泣く泣く諦めました。
予想していた通り、難しかったですね。聞いている学生の雰囲気がつかめないのが悩みです。身を乗り出して聞いてくれているのか、戸惑っているのかがわかれば、うまく対応できるのですが、多人数かつ画面オフなので、初回は不安を抱えたままで終わった1時間でした」
試行錯誤中と苦笑するのは、人材開発室で新卒採用を担当するUさん。関西や九州に住む学生にも、ソルクシーズの魅力を伝えられるのが最大のメリットと考えた新たな取り組みは、前年の1.6倍の参加者を集めるという順調なスタートでした。
自社のセミナールームで開催していた昨年までは、定員20名でしたが、Web説明会では1回あたりの参加を30名に増員。「IT業界解説」「ソルクシーズの事業説明」などのプログラムは、飽きさせないように現場のエピソードを組み込むなどの工夫がなされていました。
「そうはいっても、学生の本気度はまちまちです。集中して聞けるよう、音声のミュートを依頼しているのですが、ときどき忘れる方がいて、ゲームの実況音が聞こえてくることもありました(笑)。
Zoomでいいのか、ただ話を聞いてもらうだけでいいのか、ソルクシーズの魅力は充分にアピールできているかと自問自答する日々を過ごしています」
ソルクシーズの人事担当者が出張せずとも地方の学生に自社の取り組みが伝わり、業務効率化と参加者増加を同時に実現できたのは大きな収穫。
一方、人物重視・コミュニケーション力重視の採用を進めていくなかで、学生の自発的なアクションを促す仕掛けや、自社採用サイトとの連携などについては、改善の余地があると感じているそうです。
新卒採用の環境は確実に変わってきていると語るUさんの視線は、2年め以降の新たなチャレンジを見据えています。